[香港 29日 ロイター] - 香港行政長官選挙制度をめぐる中国政府の決定に反発した民主派が29日、金融街を占拠する抗議活動を実施。警官がデモ隊に催涙弾を発射するなど、1997年の香港返還以来、最悪の混乱に見舞われた。
主催者側の発表によると、デモ参加者は最大8万人に達した。
梁振英・行政長官は抗議活動に「断固とした」姿勢で臨む方針を表明。警察が催涙弾を使用したのは2005年以来初めてとなる。警察はゴム弾を発射したとのうわさを否定している。
その後、民主派の抗議活動が沈静化し始めたことを受け、香港政府は機動隊をデモ隊の活動拠点から撤収させたと明らかにした。政府報道官は声明で、デモ隊に対し、できるだけ平和的に活動拠点から立ち去るよう求めている。
ただ、機動隊の撤収後も、「傘の革命」と一部で呼ばれる民主化デモのシンボルとなった傘で日差しを避けて道路に横になったり、道端で眠るデモ参加者の姿も見られた。
18歳の学生は、デモ隊は現在状況を見極めているとし、香港政府の対応次第では再びデモが激化する可能性を示唆した。
中国外務省の報道官は29日、香港での民主派団体による抗議デモのような「違法行為」を支持する国外の一切の動きに反対すると表明し、中国国内の問題に外国が介入すべきでないとの見解を示した。
一方、香港市場は続落。返還後最悪の事態に発展した民主派デモが地合いを圧迫し、ハンセン指数は2カ月半ぶり安値で終了した。
ハンセン指数
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