香港が1997年に中国に返還されて16年となった1日、香港島中心部で民主派団体が呼びかけるデモに10万人以上が参加し(主催者発表43万人)、「本当の普通選挙」の実施や香港トップの梁振英・行政長官の辞任などを訴えた。朝日新聞が伝えた。
香港行政長官は香港政府の指導や法律・予算案への署名、高官の指名、裁判官の任免などの権限を持つ。任期は5年で1度だけ再選可能。政財界や教育、農漁業など団体ごとに選ばれた選挙委員計1200人による投票で過半数を得た候補が、中国政府に任命される。(コトバンク「香港行政長官」より)
朝日新聞によると、2017年からは普通選挙の実施がほぼ決定しているが、中国高官が親中派以外の立候補を牽制(けんせい)する発言を繰り返していることから、香港市民の反発が強まっている。
参加者らは「1人1票による選挙」などと訴えて香港中心部を練り歩いたと、共同通信は伝えている。
梁行政長官はこの日で就任から丸1年となったが、中国寄りの言動や政府要人のスキャンダルなどで批判が強く、香港大学の先月の世論調査では支持率が27%と就任後最低に落ち込んだ。中国政府が梁氏を更迭するといううわさも絶えないと朝日新聞は伝えている。
返還15周年にあたり梁行政長官の就任式が行われた2012年7月1日には、民主的制度の後退などを懸念する市民らが大規模デモを実施し、主催者発表で40万人(警察は6万5000人、香港大学は11万2000人)が参加している。また、2013年1月1日にも主催者発表で13万人(警察発表は出発時1万7千人)が参加し、梁行政長官の辞任を求める「元旦デモ」が行われている。
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