香港政府は6月15日、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が記者会見し、中国本土への容疑者引渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正について、「説明とコミュニケーションが十分ではなかった」などとして当面、審議を延期する方針を表明した。
条例改正を巡っては、これまでに香港で大規模な反対デモが発生。警官隊との衝突でデモ隊や報道機関の人間にけが人が出るなどしていた。
本来は、早ければ6月20日の可決を目指していた香港政府だが、当面は先送りされる格好だ。
だが、香港の民主活動家で、政治組織「デモシスト」幹部の周庭(アグネス・チョウ)さんは、「私たちの反対運動はまだ終わっていない」などとして、16日に予定していたデモを中止せずに実施することを明らかにした。
周さんは、改正が撤回ではなく、あくまで「先送り」であることを指摘。
改めて、▽改正案の撤回と▽デモを「暴動」とした政府見解の撤回、さらに▽警官隊が催涙ガスなどでデモ隊を制圧したことの責任追及、▽林鄭月娥行政長官の辞任の4項目を要求するとした。
周さんは香港政府の発表に対し、「延期と言いますが、年末・来年にまた採決を再開することができます。 香港人は決して忘れない、警察が市民に向かい催涙スプレー・警棒・ゴムバレットを使用したことを」とツイートしている。