ネオニコチノイド系農薬が原因か?ミツバチの蜂群崩壊症候群(CCD)の謎

謎に満ちたミツバチの大量失踪現象「蜂群崩壊症候群(CCD)」の原因が実験結果から明らかになった。原因は…
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close up of honey bees flying
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謎に満ちたミツバチの大量失踪現象「蜂群崩壊症候群(CCD)」の原因が、ネオニコチノイド系の農薬である可能性が高いことが実験結果から明らかになった。金沢大学の山田敏郎教授らのチームが17日までにまとめた。

産経新聞によると、国内外で広く使われているジノテフランやクロチアニジンといったネオニコチノイド系の農薬を糖液と花粉ペーストなどに混ぜてミツバチに摂取させたところ、比較的低濃度でも巣箱からミツバチの群れが消える「蜂群崩壊症候群(CCD)」に似た現象が起きたという。

山田教授は「ハチが即死しないような濃度でも、農薬を含んだ餌を食べたハチの帰巣本能がだめになり、群れが崩壊すると考えられる」と指摘。養蜂への影響を避けるためネオニコチノイド系農薬の使用削減を求めている。(MSN産経ニュース2013/6/17 10:07)

蜂群崩壊症候群(CCD)とは、巣箱にいるミツバチの大群が突然姿を消す現象。コトバンクでは次のように説明されている。

養蜂家が保有する交配用・採蜜用ミツバチが、短期間に大量に失跡する原因不明の現象。特徴は、巣箱の中や付近に蜂の死体がなく、巣箱全体の30~90%もの大量の蜂が突然いなくなること、女王蜂や幼虫は巣に残っている場合が多いこと、原因が特定できないことなど。女王蜂や幼虫が残っているのに、餌として蜜や花粉を巣に持ち帰るべき働きバチがいなくなるので、残っていた個体もやがて死滅してしまう。(知恵蔵2013

CCDは2006年秋米国で現象が確認され、09年春までに米国内で農作物の受粉に必要なミツバチの3割以上が姿を消したという。都市化の進行などによりミツバチはここ20年世界的に減少傾向ではあるが、原因不明のCCDは米国以外にもカナダや一部のヨーロッパ諸国、インド、台湾、ブラジルなど各国に広がっている。ミツバチの不足は、農作物の授粉に大きな影響を与え、すでに約100種類の農作物で被害が出ていると言われている。

CCDについては、ダニやウィルスによる感染、過密な交配によるストレス、単一の花粉しか与えない養蜂の方法による栄養不足、農薬などさまざまな原因が考えられている。今回はイネの害虫のカメムシ防除など日本国内で幅広く使われているネオニコチノイド系の農薬との関連が指摘されたが、農薬メーカーからは異論の声も上がっていると西日本新聞が報じている。

ネオニコチノイド系農薬がミツバチの大量死や大量失踪に関連しているとの指摘に対し、農薬メーカーは「大量死や大量失踪の主たる原因ではない」と反論している。(西日本新聞2013/6/17)

多くの謎に包まれていたCCD。世界の農作物事情に大きな影響を与えることから、早急な原因究明が求められる。

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