ワーク・ライフ・バランスの推進などの政策を、休み方の観点から検討していた内閣府の「休み方改革ワーキンググループ」は11月18日、有給休暇の取得を推進するための報告書をまとめた。ただ体を休めるだけではなく、職場以外に自分が活動する場所を確立することにも休日を使うことが望ましいとして、有給休暇を地域の行事参加などに使う「ふるさと休日」を制度化する提言も盛りこんだ。
■「第2の人生」の充実には、現役時代の休日の使い方が重要
提言は、平均寿命が長くなる中で「もはや、働くだけでは人生をエンジョイして生き切っていくことはできなくなっている」として、休日の使用目的に「第2の人生」を含めた人生設計にも言及。「現役時代から仕事以外をどう有効に使うかが重要」として、職場以外の活動の場を設けることで、仕事人生の後も充実した生活ができるとしている。
職場以外の活動の幅を広げるためには、地域のお祭りやイベントを通じて地域との交流に参加したり、ボランティア活動(東京オリンピック・パラリンピックでの英語ボランティアなど)やNPO活動に取り組むなどの方法が提案された。
■なぜ「ふるさと休日」?
では、なぜ「ふるさと休日」なのか。
実はこのワーキンググループは観光庁や経済産業省がオブザーバーを務めており、ワーク・ライフ・バランスの推進だけでなく、「地域活性化」の具体策の検討も目的としている。地域の行事に住民を巻き込み、祭りなどをより活性化させることで、より魅力的な町をアピールすることができると地域の担当者は話す。
魅力的な祭りであれば、「今度、あの祭りに行ってみようかな」と考える観光客も増え、地域に落ちるお金も増える。観光のために有給休暇を使う人が増え、また、祭りの人気がでることで、地域の人のやりがいにもつながるという発想だ。
しかし、ふるさと休日の肝は、対象となる祭りなどが土・日・祝日ではなく平日に行われることだ。そうでなければ、有給休暇が消化できないためだ。観光庁の資料には、日付が固定された全国の祭りが紹介されているが、京都の祇園祭や、埼玉県の秩父夜祭、長崎くんち、などは日付が決まっているので対象となるようだ。
一方で、土日に合わせて行われるようになった東京の神田祭や大阪の岸和田だんじりなどは、この資料には掲載されていない。
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