52歳の元ホームレスが、世界的に有名なケンブリッジ大学で英文学を学び始めた。成人向けのコースがある「ヒューズ・ホール」に通うことが認められたのだという。11月7日、地元メディアのケンブリッジ・ニュースなどが報じた。
ケンブリッジ大に通うことが認められたのは、リバプール出身のジェフ・エドワーズさん。不景気のため地元では就職できず、街を出た。両親も大学を出ていなかったため、自身も大学進学は考えていなかった。
当初は現場労働者として働いていたが、より安定した仕事を求めてケンブリッジに移った。大人になってからの大半は、ケンブリッジで過ごしたという。
しかし、ケンブリッジでも仕事はなく、住む場所もなかった。そのため、ホームレスとして暮らすか、または、運が良ければ不法占拠した場所に住んでいた。
救いは、本だった。図書館やチャリティーショップなどで貰った本を、むさぼり読んだ。
「本は現実から逃げ出すための、本当に素晴らしい方法だった」。
ある日、慈善団体の助けで、自立を目指すホームレスが路上で売る雑誌「ビッグイシュー」を販売するようになった。そして、大学入学を目指すために、3年前から「ケンブリッジ・リージョナル・カレッジ(CRC)」にも通い始めたのだという。
「私は、自分に変化がなくなっていたことに気がついていました。それで、何か別のことをしなくてはいけないと決めたのです」
CRCは、勉強を中断していた人が再び学びの場に戻ったり、大学に進学するための資格が必要な成人向けに設計されている。エドワーズさんも、時間はかったがCRCで優秀な成績を収め、ケンブリッジ大学への入学資格を得た。
「ケンブリッジ大に行くのは私の夢でした」と、エドワーズさんは語った。
「ケンブリッジ大は私にとって大きなステップアップです。しかし、私は前に進むことを楽しみにしています」