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アメリカの巨大メディアやエンターテイメント企業、そのCEOたちが富を築く中、作品の作り手たちが公平な支払いを求めてストライキを続けている。
ハリウッドやニューヨークでは、東部と西部の全米脚本家組合(WGAE、WGAW)に所属する約1万1500人が、5月2日にストライキを開始。
映画スタジオやストリーミングサービス、テレビ局に対して、公平な契約や支払いを求めている。
組合のメンバーは5月10日も「公正な契約を求めます」などと書かれたプラカードを掲げた。
制作会社は、利益や利用者を増やしている
作り手たちが公平な支払いを求めて声を上げる中、複数の大手制作会社が、加入者数の増加や大幅な利益増を報告している。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフCEOは5月5日、HBO Maxを含む同社のストリーミング部門の2023年第1四半期の利益が5000万ドルで、ストリーミング加入者は2022年末以降約150万人増えたと発表した。
Appleは5月4日に発表した四半期決算で、サービス部門の収益が209億ドルと、同社としては過去最高額となったことを伝えた。
このサービス部門には、2022年にアカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画『コーダ あいのうた』などを配信しているApple TV+が含まれている。
パラマウントも同日に収益報告を発表し、同社のストリーミングサービスParamount+の新規加入者が、2022年末以降410万人に達したと強調した。
同社は全体では赤字であるものの、Paramount+を含む過去1年間のサブスクリプションの収益は50%増加したとアピールしている。
これらストリーミングサービスが提供する番組や映画の脚本を執筆しているのが、脚本家たちだ。
しかし、その脚本家たちへの支払いと、大手企業やCEOたちの巨額報酬との間には大きな格差が生じている。
全米脚本家組合は、公平な契約を求めてNetflixやAmazon、Apple、ディズニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーなどを傘下に置く映画テレビ制作協会(AMPTP)と交渉を続けていたが合意に達せず、ストライキに臨んだ(ハフポストUS版の組合加盟スタッフもWGAEに加入している)。
ストライキに参加している脚本家たちは「ストリーミングブームで、以前よりも多くのテレビ番組や映画があるにもかかわらず、作品の成功に対して自分達には公正な報酬が支払われていない」とハフポストUS版の取材で語った。
脚本家たちの最大の要求は、より公平で公正な報酬と労働条件だ。現状を変えなければ、脚本執筆が安定した仕事ではなくギグワークになると懸念している。
WGAEのメンバーでコメディ作家のジョシュ・ゴンデルマン氏は「『持続可能なキャリアや生計の道を開くことを許さない』と言われるのは、単なる侮辱ではなく、暴挙です」と述べる。
また、脚本家たちは、巨額の給与が支払われているハリウッドのCEOたちとの格差問題も指摘している。
脚本家でコメディアンのアダム・コノバー氏は、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの傘下にあるCNNのインタビューで、ザスラフCEOが2021年の収入が約2.5億ドル(約335億円)だったと指摘。
「これは、公平な支払いを求めている1万人の脚本家たちの要求額を合わせたものとほぼ同じです」「脚本家の中には、家賃やローンを支払うのが大変な人たちもいる」と述べた。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。