北斗星・カシオペアも消える? 北海道新幹線の開業で

鉄道ファンあこがれの寝台特急が、姿を消すかもしれない。JR西日本は28日、車両の老朽化を主な理由に、国内最長路線の寝台特急「トワイライトエクスプレス」(大阪―札幌)の来春限りでの引退を発表。
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TOKYO, KANTO, JAPAN - 2009/04/29: The Hokutosei or 'North Star' night train plies its way nightly from Ueno Station in Tokyo to Sapporo. The train takes approximately 16 hours in either direction. Blue Trains in Japan are long-distance sleeper trains, nicknamed for the color of the train cars. They consist of sleeper cars, and currently run on nine routes connecting major destinations within Japan across long distances, other routes being served by a fleet of newer limited-express sleeper trains which are not blue.. (Photo by John S Lander/LightRocket via Getty Images)
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北斗星・カシオペアも消える? 北海道新幹線の開業で

鉄道ファンあこがれの寝台特急が、姿を消すかもしれない。JR西日本は28日、車両の老朽化を主な理由に、国内最長路線の寝台特急「トワイライトエクスプレス」(大阪―札幌)の来春限りでの引退を発表。2年後に北海道新幹線が開業するため、東京・上野と札幌を結び、2番目に走行距離が長い寝台特急「北斗星」と「カシオペア」も、廃止が検討されている。

「あけぼの」(上野―青森)の3月廃止で、定期運行する青い寝台車の「ブルートレイン」は北斗星だけになった。1編成あたりの客車と電源車計12両はJR北海道と東日本で保有。1988年に運行を始めた。

28日の上野駅13番ホーム。発車20分前の午後6時40分、北斗星がゆっくり入ってきた。駅弁と缶ビールを持って乗り込んだ札幌市南区の会社員山次(やまつぎ)孝幸さん(45)は、10年ほど前に旅行で初めて乗り、ここ5~6年は東京出張で使う。「心地よく寝られるし、旅情もある。ふだん考えないようなことを、じっくり考えるいい機会なんです」

JR札幌駅でも存続を願う声が。千葉県市川市から新婚旅行で北海道に来た亀山真司さん(29)とめぐみさん(34)は「なくなりそうだと聞き、ぜひ乗りたいと思いました。新幹線とは違う味わいがある」。

2016年春に北海道新幹線の新青森―新函館(仮称)が開通すると、北海道と本州を結ぶ青函トンネルの電圧が2万ボルトから2万5千ボルトに上がる。これまで寝台列車を引っ張ってきた機関車は、使えなくなる。

JR北の島田修社長は今月の会見で、「新しい機関車を製造するつもりはない」と断言した。機関車の製造費は、1両あたり2億~3億円といわれる新幹線よりも高いという。

ほぼ隔日運行の「カシオペア」は、すべて個室の高級寝台列車。99年に運行を始め、車両はJR東が所有する。JR東のある幹部は「北海道新幹線の保守点検の時間の確保なども考えると、廃止も含め、検討せざるを得ない」と明かす。

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(朝日新聞社提供)

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