北斗星・カシオペアも消える? 北海道新幹線の開業で
鉄道ファンあこがれの寝台特急が、姿を消すかもしれない。JR西日本は28日、車両の老朽化を主な理由に、国内最長路線の寝台特急「トワイライトエクスプレス」(大阪―札幌)の来春限りでの引退を発表。2年後に北海道新幹線が開業するため、東京・上野と札幌を結び、2番目に走行距離が長い寝台特急「北斗星」と「カシオペア」も、廃止が検討されている。
「あけぼの」(上野―青森)の3月廃止で、定期運行する青い寝台車の「ブルートレイン」は北斗星だけになった。1編成あたりの客車と電源車計12両はJR北海道と東日本で保有。1988年に運行を始めた。
28日の上野駅13番ホーム。発車20分前の午後6時40分、北斗星がゆっくり入ってきた。駅弁と缶ビールを持って乗り込んだ札幌市南区の会社員山次(やまつぎ)孝幸さん(45)は、10年ほど前に旅行で初めて乗り、ここ5~6年は東京出張で使う。「心地よく寝られるし、旅情もある。ふだん考えないようなことを、じっくり考えるいい機会なんです」
JR札幌駅でも存続を願う声が。千葉県市川市から新婚旅行で北海道に来た亀山真司さん(29)とめぐみさん(34)は「なくなりそうだと聞き、ぜひ乗りたいと思いました。新幹線とは違う味わいがある」。
2016年春に北海道新幹線の新青森―新函館(仮称)が開通すると、北海道と本州を結ぶ青函トンネルの電圧が2万ボルトから2万5千ボルトに上がる。これまで寝台列車を引っ張ってきた機関車は、使えなくなる。
JR北の島田修社長は今月の会見で、「新しい機関車を製造するつもりはない」と断言した。機関車の製造費は、1両あたり2億~3億円といわれる新幹線よりも高いという。
ほぼ隔日運行の「カシオペア」は、すべて個室の高級寝台列車。99年に運行を始め、車両はJR東が所有する。JR東のある幹部は「北海道新幹線の保守点検の時間の確保なども考えると、廃止も含め、検討せざるを得ない」と明かす。
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