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東京パレスホテルでこの月曜日に行われた記者会見にて、アートフェア東京の今年のラインナップが発表された。それによると、今年のアートフェア東京は、アート形態においても、参加地域においても、今までにない幅広い層からの出品となりそうだ。
日本最大のアートイベントであるアートフェア東京が今年も3月7日から9日の間、東京国際フォーラムにて開催される。今回のフェアも従来同様に、骨董品や陶磁器、モダンアート作品をフィーチャーする。
現在予定されているブース数は138。そのうち91がメインセクションに、47はG-Plusやディスカバリー・アジアといった企画展示であるプロジェクト・セクションにて展示を行う。
アートフェア東京エグゼクティブディレクター金島隆弘によると「アジアの他の国から今年は8つのギャラリーが参加します。ソウル、台北、香港、マニラ、ジャカルタなどから来ます。前回までは韓国、台湾、中国からだけでしたが、それが拡大したということになります」
記者会見ではまず、アジア古磁器専門店の浦上蒼穹堂創始者であり代表を務める浦上満が自身のブースの説明を行った。目玉は江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎のスケッチブックである北斎漫画コレクションの展示。ちょうど北斎漫画初編の出版から今年は200年目にあたるということもあって、北斎漫画の出展を決めたとのこと。
浦上は北斎漫画のコレクターとして非常に有名で「18歳の時から北斎漫画を集めており、一応世界で一番多くの数を持っていると言われています」と述べている。さらに同氏は北斎漫画の他国の画家への影響に言及し、「(カタログ記載の)この虫の絵は、マネが模写しており、パリの国立図書館に置かれています。また器械体操をやっているように見えるひさしをかぶったおじさんたちの絵もありますが、これはパウル・クレーが模写しています。ちょうど今森美術館でアンディ・ウォーホル展をやっていて、私も昨日ちょっと見たのですが、その展示のなかに、ウォーホルが自分のお気に入りの雑誌とか、ものを入れたタイムカプセルが紹介されていました。そこに北斎漫画の本が、載っているものがありました。つまり、古美術も近代美術も現代美術も関係なく、いいものはいつの世にもいいものですし、それを分かる人、愛する人はずっといるんですね」と語った。
山本現代のディレクター山本裕子は、去年で幕を閉じた現代アートのフェアG Tokyoから今回のアートフェア東京への参加者に触れ、「G Tokyoに出ていた約三分の二のギャラリーが、今回新たに設けられるG-Plusというセクションに出展します。コラボレーション展示もあり、例えばヨシイヒロミギャラリーと陶器店の黒田陶苑が、現代作家の杉本博司をフィーチャーする予定です」
さらに自身のギャラリー山本現代も今回、4店での合同展示となると説明。その中には東洋古美術専門の老舗ロンドンギャラリーが含まれており「ロンドンギャラリーが現代アートの分野に出られているのを見ることは非常に珍しいと思います。この合同展では、ロンドンギャラリーのコールに対して、他の3店がリスポンスするという形になります。また、ギャラリー・サイド2、タケニナガワ、繭山龍泉堂という異色のコラボレーションも予定されており、非常に個性的な、日本ならではの面白いものになるのではと期待しています」と述べた。
山本はさらに「現代美術では、一点一点がピースとして完成しているということが、意外と少ないです。どうしてもインスタレーション形式で見せたり、空間そのものを見せたりする必要があります。ですので、今回もただセールスが上がればいいという考え方ではなく、ちゃんとしたショーにしようという気概を持って臨みます」と付け加えた。
アートフェア東京の前売り券は現在発売中。
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(2014年1月31日「BLOUIN ARTINFO」より転載)