「HIV感染していますが、今は薬を処方しません」

「まだまだ薬を飲む必要はないね」と先生は説明しはじめた。
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HIVの診療をしている病院

HIV感染に関する病院は全国にあります。各病院により、受け持つ科の名称が違うため、感染症科という名目や性病科という名目の科も存在します。また一度病院に通いだしても医師との折り合いが悪いということもあります。(ありがたいことに僕は大丈夫でした。)

病院の名称や通いだしてからの医師との意思疎通はそのつどよく考えて行動されるとよいでしょう。

初めての病院と検査

東京医大病院に僕(HIVに感染が発覚)とYさん(HIVに感染していたことを隠していた私の恋人)は来院しました。初めての来院であり、伺った日がとても混んでいたため、2時間程待たされました。ようやく名前を呼ばれ、Yさんと一緒に医師と面会しました。

担当医との面会

担当医のA先生はとても穏やかな先生でした。紹介状を渡し、検査からの経緯をYさんとともに説明しました。

『まだ若いんだね。でも安心して下さいね、もう死ぬ病気ではなくなったから。』

そう言いながら先生は説明を始めました。『CD4、これが免疫値ね。普通の人だと1000くらい。今800だから、まだまだ薬を飲む必要はないね。』

『次にウィルス量。これが1000程度だから、こっちも問題ないね。』

そう話し説明をしてくれました。

正直すぐに薬を飲み始める必要があると思っていた僕は驚きました。

『経緯からお話しを伺ったところ、彼氏さんからの感染なんだよね?』

『はい、そうです。』

そう答えるとYさんの検査結果を見ながら話し始めました。

『CD4が200を切っているのであなたはすぐにでも治療を開始すべき状況ですね。』

ウィルス量は確実に相手に感染してしまう量に到達しているよ。よく発病しなかったね。』

先ほどまでの穏やかな先生から険しさを感じました。

『Yさんに関してはすぐに投薬が必要です。その手続きとかもあるので、カウンセラーにあって話をしてきてください。』

『Yさんは今後は感染するようなことを相手にしないこと。いいね?』

そう先生がYさんに問いかけるとYさんは小さく『はい』とつぶやきうなずきました。

HIVに感染していると...

『HIVに感染していると他の性感染症もかかりやすくなるから気を付けてね。』

そう言われました。

『どう気を付ければよいですか?』

僕は尋ねました。

『まず、性的な接触をなるべく減らすこと。接触をする前に相手に伝えること。あとは適切にコンドームを使うこと。だけど、コンドームで100%防げるわけではないから、気を付けてね。』

そう伝えて頂いた後、各性病と呼ばれる病気で多いものを教えてもらいました。梅毒、淋病、クラミジア、肝炎...気を付けなければならないものが今まで以上に増えたな。そう感じる瞬間でした。

次の予約を入れ、僕らは診察室を後にしました。

カウンセリング

カウンセリングではOさんという方が担当してくれました。

『辛かったでしょ?』

そう言われても、ぴんとこず、僕は『たぶん。』と答えました。今後の治療方針等を聞き、初期は一か月に一回の通院が必要であることを伝えられたとのことでした。

カウンセリングを終え、外のベンチで待っているとYさんが出てきました。Yさんは障碍者手帳の取得と自立支援の申請が必要らしく、当時住んでいた中野に帰宅しました。

夜に新宿でね、そう約束をして、その場は終わりました。

つづく

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