全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ2016年の本屋大賞が4月12日に発表され、宮下奈都(みやした・なつ)さんの『羊と鋼の森』(文藝春秋)が選ばれた。北海道の山あいで育った青年が、ピアノの音に魅せられ、ピアノ調律師として成長していく姿を描いた長編小説。2016年1月の直木賞候補にも選ばれ、話題になっていた。
宮下さんは1967年福井市生まれ。上智大文学部卒。二男一女の母で、2004年に「文學界」新人賞佳作を受賞した『静かな雨』でデビューした。『スコーレNO.4』『太陽のパスタ、豆のスープ』『田舎の紳士服店のモデルの妻』など、日常生活をテーマに描き、丁寧な描写で読者から支持されている。
2015年に芥川賞を受賞したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんの『火花』(文藝春秋)は10位だった。
■2016年本屋大賞の受賞作
大賞:『羊と鋼の森』宮下奈都(文藝春秋)
2位:『君の膵臓をたべたい』住野よる(双葉社)
3位:『世界の果てのこどもたち』中脇初枝(講談社)
4位:『永い言い訳』西川美和(文藝春秋)
5位:『朝が来る』辻村深月(文藝春秋)
6位:『王とサーカス』米澤穂信(東京創元社)
7位:『戦場のコックたち』深緑野分(東京創元社)
8位:『流』東山彰良(講談社)
9位:『教団X』中村文則(集英社)
10位:『火花』又吉直樹(文藝春秋)
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