日本の人工衛星「ひとみ」の通信が3月26日から途絶えていることについて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、同衛星が軌道上で破損した可能性もあるとみて調査を始めた。壊れたのが衛星の一部だけの可能性もあり、JAXAは通信回復に向けて努力している。産経ニュースなどが報じた。
「ひとみ」は質量2.7トン、全長14メートルの大きさで、日本のX線天文衛星史上で最大のサイズだった。ブラックホールなどの観測を通して、宇宙の構造と進化の解明をするのを目的として、2月17日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。
通信できなくなったのは26日午後4時40分。同日午後5時20分の時点で、アメリカの戦略軍統合宇宙運用センターが軌道近くに破片とみられる5個の物体があるのを確認した。JAXAは28日のプレスリリースで「現時点で、通信不良の原因は不明ですが、引き続き衛星の復旧及び原因調査について全社的に取り組んでおります」とコメントしている。
■バラバラにはなっていない可能性も
今回の件について、天体物理学者のジョナサン・マクドウェル氏は、「現時点では『ひとみ』がバラバラになったかどうかは分かりません。機体の一部が剥がれただけで、基本的な部分は無傷かもしれない」とツイートしている。
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