天文衛星「ひとみ」との通信途絶える 姿勢異常か

JAXAは27日、2月に打ち上げたエックス線天文衛星「ひとみ」との正常な通信が26日午後から途絶えた、と発表した。
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、ブラックホールや超新星、銀河団などの観測を目指して2月に打ち上げたエックス線天文衛星「ひとみ」との正常な通信が26日午後から途絶えた、と発表した。JAXAは夏ごろの観測開始を目指して衛星機器類の調整などをしていた。飛行姿勢に異常が生じたとみられ、太陽電池による発電ができずに電力不足になった可能性があるという。JAXAは対策本部を設置して通信復旧を試みている。

ひとみは2月17日夕方、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットで打ち上げられた。その後高度575キロの地球周回軌道を96分で1周していた。JAXAによると、26日午後4時40分ごろから電波を正常に受信できず、衛星の状態を確認できなくなった。

データ解析などから、太陽電池の発生電力量が低く、衛星の向きに異常が起きた可能性があることが判明した。今後、衛星の太陽電池パネルに太陽が当たるようになれば電力は復旧する可能性があるという。

ひとみは、昨年運用終了した「すざく」の後継衛星で、JAXAと米航空宇宙局(NASA)などが共同開発した。全長14メートル、重さ2.7トンで最新鋭のエックス線望遠鏡やガンマ線検出器を搭載。日本では最大級の科学衛星で、エネルギーの高い天体が出すエックス線を捉えて、宇宙の成り立ちや進化を解明することが期待されている。

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