安倍晋三首相は8月20日夜、広島市の豪雨被害で救出活動が続く中、静養のため官邸から山梨県鳴沢村の別荘に戻った。土砂災害発生の一報後もゴルフを続けたことに加え、対応の指揮を執るべき首相が東京を離れ再び静養に入ったことに、民主党の海江田万里代表ら野党幹部らから批判の声が上がっている。47NEWSなどが報じた。
海江田氏は21日午前、兵庫県丹波市で記者団に「こういう時だからこそ官邸や公邸に詰めて情報収集に当たるべきだ」と強調。衆参両院で災害対策特別委員会や予算委員会を開催するよう与党に求める考えを示した。
(47NEWS「野党幹部、首相の別荘静養を批判 首相は午後、帰京へ」より 2014/08/21 14:04)
社民党の又市征治幹事長は記者会見で「行方不明者がいる状況で別荘に戻るのはいかがなものか。とんでもない判断だ」と指摘した。
一方、連立を組む公明党の山口那津男代表は「内閣としてしっかり対応している」と首相を擁護した。
首相は夏休み中。20日は土砂災害が発生した後の午前8時ごろから、山梨県富士河口湖町で森喜朗元首相や茂木敏充経済産業相らとゴルフをしていたが、約1時間後に中止。午前11時ごろ官邸に到着した。官邸で被災者救助などに関して情報収集をするなどの対応にあたった。
災害の一報を受けながらもゴルフを始めたことにも、野党から批判が出ている。
森氏は、2001年2月に実習船「えひめ丸」とアメリカの原子力潜水艦の衝突事故が起きた際、一報を受けた後もゴルフを続けたため批判され、その後の退陣につながった。森氏は「あの時は大変なことになった。早く戻った方がいい」と首相に早期帰京を促したという。事故当時、首相は森内閣の官房副長官を務めており、森氏に代わり東京で対応に当たった。
首相は21日午後、車で別荘から東京都内の首相官邸に向かった。豪雨被害の対応にあたるとみられる。
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