自民党の平沢勝栄・衆院議員が「LGBTばかりになったら、国はつぶれる」と発言した問題について、同氏は「同性婚は憲法に保障された権利」とした上で、LGBT批判が発言の真意ではなかったと説明した。ハフポスト日本版の電話取材に1月7日に答えた。
1月3日に山梨県で開かれた集会の模様を、日本テレビ系列のニュースサイト「日テレNEWS24」が報じていた。この中で、平沢氏は「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚。これは批判したら変なことになるから、いいんですよ。もちろんいいんですよ。でも、この人たちばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」と発言している。
また、同じニュースの中で、平沢氏はその他に、渋谷区などの「同性婚へ証明書を発行している自治体」に触れ、「先進区だとか自慢しているが、私にはその考え方はよくわからない」とも述べている。
ハフポスト日本版による電話取材に応じた平沢氏は「入管法の話から、日本の人口減少や人手不足について言及した。その中での発言だった」と説明している。
同性婚(パートナーシップ)の証明書を出している自治体について言及した部分については、「区だけの問題ではなく国の問題であり、国会で議論すべき」という趣旨で、自治体を批判したわけではないと話した。
同性婚については、自身の考えとして「憲法に保障された権利で、そもそも賛成・反対の話ではない。『やめろ』ということはできない」と語った。
国会での議論が進んでいない現状に対して「同性婚などの話題はタブー視され過ぎていて議論が進まない。これがおかしい」と指摘した。
LGBT法連合会が発言撤回求める
平沢氏の発言が報じられると、ネット上では批判の声が続出した。
ロバート・キャンベルさんはTwitterで「平沢さん、少しは勉強してくださいよ」と苦言を呈した。
LGBTアクティビストの東小雪さんも「少子化とLGBTの権利を守ることは全く別の問題」と投稿。「どのような文化的背景、宗教の国にも性的マイノリティの人々は一定の数います。可視化が進んでも"LGBTばかりになる"ことはありえません」と批判した。
LGBT法連合会は「平沢氏の発言は、性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者に対する、存在の否定ともいえる発言であり、このような主張は到底許容できない」として、この発言を批判。平沢氏に対し、発言の撤回と謝罪を求めている。
LGBTと政治家発言をめぐっては、2018年にも、自民党の杉田水脈議員が「新潮45」に寄稿した論考で、同性カップルについて「生産性がない」などと主張。海外メディアでも批判的に報じられた。