富士山の高さは3,776m。日本で最も高い場所は富士山の山頂になりますが、実は世界中を見回すと富士山よりも高い場所を鉄道が走り、富士山頂よりも高い土地に駅があるとご存じですか?
そこで今回は世界地図や世界の鉄道路線図を参考に、富士山よりも標高の高い位置を走る主な鉄道と駅をまとめたいと思います。
1:中国にある5,068mのタングラ(唐古拉)駅
最初に紹介する鉄道と駅は、中国西南部を走るチンツァン(青蔵)鉄道とタングラ(唐古拉)駅(タンラとも読む)になります。
中国の青海(チンハイ)省にある西寧(シーニン)から西へ向かい、ゴルムドを経て南下し、チベット自治区のラサを結ぶ全長約2,000kmの鉄道。
特にゴルムドからラサを結ぶ区間では、途中でタングラ(唐古拉)山脈を通過するのですが、同区間に置かれたタングラ(唐古拉)駅の標高は5,068mに及びます。まさに世界一高い場所にある駅ですね。
2:ペルーにある標高4,781mのガレラ駅
次はペルーのアンデス中央鉄道と、その途中の標高4,781mにあるガレラ駅。
太平洋に面した港町カヤオ(カラロ)から出発し、隣接したペルーの首都リマを通ってアンデス山脈の方へ12時間程度掛けながら上がっていく、世界一標高差の激しい鉄道。
通常は鉱山の鉱物を輸送するだけの鉄道のようですが、定期的に観光客も専用列車で運んでくれるとか。
一見すると心躍る鉄道の旅になりそうですが、実際は真逆で、酸素ボンベを持った看護師が忙しく乗客を介抱して回るような過酷な旅になるとか。
路線は首都リマを中心としてみると途中のラ・オロヤでY字に分かれており、一方はセロ・デ・パスコ、もう一方はワンカヨの方に向かっています。
標高4,781mにあるガレラ駅は分岐点ラ・オロヤの手前。一般観光客でも停車中に普通に外に出られるそうですので、富士山よりも1,000m近く高い場所の空気を体験してみたいですね。
3:ボリビアにある標高4,786mのコンドル駅
太平洋に面し、ほぼ南回帰線上にあるチリのアントファガスタから、国境のオジャグエを超えてボリビアに入る鉄道があります。塩湖で有名なウユニで北上して首都ラパスを結ぶ、アントファガスタ-ボリビア鉄道です。
アンデス山脈をひた走る路線で、車窓からは塩湖や火山が見られる観光客に人気の鉄道。その路線の途中に、リオムラトスという駅があります。そのリオムラトスからポトシに向けて伸びている支線に、標高4,786mのコンドル駅があるそう。
リオムラトスからポトシへと向かうルートは、通常の車両を1/3程度にカットした小型ゴンドラで進むみたいです。目立った橋や峡谷など目を楽しませてくれる絶景はないそうですが、広大な高山地帯を移動する羊飼いや羊の群れを車窓に楽しめるみたいですよ。
以上が富士山以上の標高にある主な路線と駅になります。他にもアメリカのパイクスピークコグレール登山鉄道や、アルゼンチンのサルタとチリのアントファガスタを結びアンデス山脈を横断する鉄道など、高山地帯を行く鉄道がいろいろとあります。鉄道を目的に出掛ける旅もすてきですよね。
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