昨年度、文科省は英語の能力を測定するために、全国の高校三年生の中から、国公立480校、約7万人(「話す」は約1.7万人)を対象とするサンプル調査を行った。
Common European Framework of Reference for Language(CEFR)と呼ばれる欧州共通テストのようなものを利用して、読み書きだけでなく、話す聞くについても調査した。
英検3-5級に相当する一番低レベルなもの(A1)から、英検準一級に相当するB2まで、結果は4段階に分かれている。
読む
B2 0.2%
B1 2.0%
A2 25.1%
A1 72.7%
聞く
B2 0.3%
B1 2.0%
A2 21.8%
A1 75.9%
書く
B2 0.0% 69,052人中5人
B1 0.7%
A2 12.8%
A1 86.5% うち0点 29.2%
話す
B2 なし
B1 1.7%
A2 11.1%
A1 87.2% うち0点 13.3%
かなり惨憺たる結果だ。
ちなみにCEFRのB2はTOEFLに換算すれば72-94。
文科省は、平成29年度までに英語の教員に対して英検準一級、またはそれに相当する英語力(TOEFL80、TOEIC730等)を求めている。
平成26年度に行われた全国の中学校、高校の英語教員の英語能力に関する試験の結果が発表されている。
県別の上位と下位を見てみると、
中学校
英検準一級以上の英語力がある教員の割合
福井県 49.4%
富山県 48.0
石川県 41.4
広島県 41.0
高知県 19.7
青森県 19.4
山梨県 18.8
福島県 18.6
宮城県 18.3
岩手県 13.3
高校
福井県 86.3%
香川県 82.4
和歌山県 38.6
千葉県 38.1
福島県 36.4
奈良県 36.0
文科省の推計では、中学、高校の英語教員の人件費に年間3000億円がかかっている。
それで、この結果というのは、予算の効果が出ていないと断じられても仕方がない。
もちろん大学等の入試が求めている英語が、使えることではなくて、その大学が出す『英語』の問題に答えられることという現状を変えなければならない。
すでに我が国の外務省では、英語で交渉をできる人材が足りなくなりつつあるという現実もある。
年間3000億円の費用に見合った結果を求めていきたい。
(2015年6月17日「河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」より転載)