大阪市東住吉区で1995年に起きた小学6年生女児の焼死事件を巡る再審公判で、大阪地裁は、母親の青木恵子さん(52)と、内縁の夫で同居していた朴龍晧(たつひろ)さん(50)に無罪判決を言い渡した。
再審で無罪判決を受け、涙を拭う青木恵子さん=10日、大阪市北区
2人は保険金目的の殺人や放火などの罪に問われており、実行犯とされた朴さんの捜査段階の自白が有罪判断の柱となり、2006年に最高裁で無期懲役が確定していた。朝日新聞デジタルによると、死刑か無期懲役が確定後、再審で無罪になったのは戦後9件目。検察側は上訴権を放棄する方針で、逮捕以来21年ぶりに2人の無罪が確定する。
毎日新聞によると、判決は出火原因は「キャップから漏れたガソリンが気化して車庫の風呂釜の種火に引火し、自然発火したという可能性は合理的だ」と認定。青木さんと朴さんの自白を「取調官の誘導で虚偽の自白を促された」と任意性、信用性を否定した。
▽出火原因は自然発火の可能性が合理的
▽過度な精神的圧迫を加える取り調べが認められ、青木さんと朴さんの自白の証拠能力はない
▽青木さんと朴さんの自供書などを証拠から排除する
(大阪女児焼死:再審 母親に無罪判決 地検は上訴権放棄へ - 毎日新聞より 8月10日 13時45分)
【事件の経緯】