沖縄県の翁長雄志知事は7月29日、アメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり、仲井真弘多前知事が出した辺野古沿岸部の埋め立ての承認を取り消す可能性を示唆した。前知事による承認手続きについては、県の第三者委員会が16日、「法的な瑕疵(かし)がある」と指摘する報告書を提出している。
朝日新聞デジタルによると、翁長氏は「一つひとつがもっともだ」と述べ、第三者委の結論の正当性を強調した。8月下旬以降に、埋め立て承認を取り消すか最終判断するという。
第三者委員会は、前知事が承認した経緯の妥当性を検証するために、翁長氏が設置した。16日に提出された報告書では、前知事による県の承認審査について、「『普天間飛行場の危険性』や『普天間飛行場の移設の必要性』を理由として上げるのみであり、普天間代替施設の移設場所として、他の場所ではなく、『本件埋立対象地(名護市辺野古地区)』が適切であるかについては何ら説明していない」と指摘。「十分な理由のないまま『適』と判断した」としている。
翁長氏が承認を取り消したらどうなるのか。時事ドットコムによると、その場合には、防衛省は行政不服審査法に基づき、公有水面埋立法を所管する国土交通相に不服申し立てを行うなどの法的措置をとる可能性があるという。
テレ朝newsによると、翁長氏はこの日「自分たちの言葉で理不尽さを説き、そのなかで押し込んでくる政府がいるとしたら、日常から非日常に変わってきます」と述べ、埋め立て工事を進めようとする政府の対応を改めて批判した。
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