PRESENTED BY ミイダス

給与会議、地域貢献は当たり前?「はたらく人ファーストアワード」Gold受賞3社の驚きの施策とは

今、「はたらく人ファースト」な経営が注目される背景とは。「はたらきがい」のある企業とはどんな組織なのか。「はたらく人ファーストアワード」でGoldを受賞した3社と審査員が座談会で語りました。

多様な「はたらきがい」を大切にすることで、すべての人が働きやすい社会につながるーー。

労働人口の低下や需要と供給のミスマッチなど、様々な課題を抱える日本の労働市場で、はたらく人一人ひとりを大切にする企業経営が重要視されています。

そんな中、ミイダスは「はたらく人ファーストアワード」を経済産業省の後援で、朝日新聞社と共催。今年のGold受賞3社には、三宝会、7Reasons、エコノワが選ばれました。

真のはたらく人ファーストな組織にするには。「はたらきがい」のある企業とは。アワードの審査員の1人で、元ニトリ・人事責任者の永島寛之さんとGold受賞3社が座談会で話しました。

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(左から)アワードの審査員を務めたQrious合同会社・代表の永島寛之さん、社会医療法人三宝会・総務部人事課の岩本泰幸さん、株式会社7Reasons・代表取締役副社長の石川規貴さん、株式会社エコノワ・代表取締役社長の幸村龍さん
Sota Ohara

「はたらく人ファースト」な企業とは。今、着目される背景

―なぜ今、はたらく人ファーストな企業経営が求められているのでしょうか。

岩本 少子高齢社会では人手不足が大きな課題です。ワークライフバランスがさらに重要視されていくのではないかと思います。

永島 個人を同質化して同じ方向に向いても、経営戦略や事業戦略が成り立たなくなったということが背景にあります。「ヒントは現場にある」ということに、皆さんが改めて気づき始めているのだと思います。 

―Goldを受賞された皆さんは、「はたらきがい」がある企業、そして「はたらく人ファースト」な企業とは、どんな企業だとお考えになりますか。

石川 押し付けず、決めつけず、閉ざされてない会社が、はたらく人ファーストな企業だと考えています。

幸村 そうですね。私たちは、利益を第一とせずに、はたらく人の幸福度を第一とする会社だと思います。

岩本 一人ひとりの働き方にフォーカスを置いて応援する企業が、はたらく人ファーストな企業だと思います。

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三宝会・総務部人事課の岩本泰幸さん
Sota Ohara

―「働き方改革」の流れが出てきてから何年も経ちますが、新型コロナ禍を経て少し改善するも、あまり状況は変わっていないと感じる働き手も少なくないかもしれません。現状をどう見られますか。

石川 いきなり大きな施策を仕組みとして取り入れる会社が多いですが、本当の意味で地に足が着いた施策を継続していくことに目が向いていないと感じます。現場主導で取り入れるべき施策が生まれてくることも大切です。

永島 働き方が着目されるようになって10年ほどが経過しました。残業時間を減らしたり、育児休暇を取得できるようにしたりと、様々な良い施策が打たれてきました。

しかし、働き方について自社の社員がどう考え、何を必要としているかということをあまり考えずに進めてきてしまった気がします。

はたらく人ファーストアワードで受賞された各社では、社員一人ひとりに寄り添った、本当の働き方改革をしています。これまでの10年は、残業時間の削減など従業員にとってマイナスであった部分を補ってきました。今やっとゼロ地点に来て、ここから積み上げていく段階なのだなと感じています。

「はたらく人ファースト宣言」、実践できている?

―「はたらく人ファーストアワード」は開催に伴い、はたらく人一人ひとりを大切にする企業の意思表示として、「はたらく人ファースト宣言」を制定しました。宣言の3箇条は、皆さんが普段やられていることや意識されていることと照らし合わせてどうでしょうか?

「はたらく人ファースト宣言」

1.はたらく人の多様なはたらきがいを尊重している、または今後尊重していく企業
2.はたらく人の声を聞く機会を設けている、または今後設けていく企業
3.はたらく人の声をもとに改善に努めている、または今後努めていく企業

石川 実は宣言は3つとも、普段から当たり前のように取り組んでいた内容でした。私たちはフルリモートで、小さなお子さんがいらっしゃる従業員の方もいる中で、「多様なはたらきがいを尊重」「声を聞く機会を設ける」などは、実践しないと会社が運営できないという状態だったからかもしれません。

幸村 私たちも全て、自然とできていると感じました。週1のミーティングでは、タスク確認や報告とは別に、うれしかった事柄やモヤッとした出来事を共有してもらい、スタッフの声を聞く機会を設けています。

会社と個人両方のミッション・バリューを言語化してチームミーティングのときに確認するようにしています。会社と個人の望みの方向性が合うことでエンゲージメントが向上します。 

永島 働き方改革の話になると、ややこしい話が多くなりますが、「はたらく人がファースト」とシンプルでとても良いと思います。こちらにいらっしゃる皆さんは、元々から宣言の内容を実践できていたということですが、できていない会社からすると、この宣言はもしかすると重い意思決定になるのかもしれませんね。

「経営者ファースト」ではなく「はたらく人ファースト」と宣言してもらうというのは、非常にいい企画だと思います。

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アワードの審査員を務めた永島寛之さん
Sota Ohara

病児保育可の保育園設置、“給与会議”。評価されたユニークな取り組みは

―審査員を務められた永島さん、はたらく人ファーストアワードの概要と審査ポイントを教えてください。 

永島 アワードは、多様な働き方を認めて働く人一人ひとりを大切にしている企業を表彰しています。審査ポイントは大きく分けて「新規性」と「有用性」「課題解決能力」の3点です。取り組みがユニークで、かつ業績に結果としてつながっていて、社内や社会の課題を解決するために付加価値を生みだしているという点をみました。

応募1009社の中から、アワード参加企業が無料で利用できる「はたらきがいサーベイ」の結果や企業の取り組みについてのインタビューをもとに審査をしました。「はたらきがいサーベイ」は、はたらく人のエンゲージメントをアンケートを通して集計し、会社がはたらきがいを引き出す環境をつくれているかどうかを定量的に評価するため、ミイダスが開発しました。

―Gold受賞社の皆様、取り組みを始めたきっかけや内容について教えてください。 

岩本 運営する病院や介護施設では、従業員のはたらきがいを高めるためにリフレッシュ休暇などを導入しています。子育て中のスタッフも多いため、万が一子どもが病気になった時でも預けられる保育園を併設しています。小児科があるため、病気の子どもにも適切なケアができます。 

病院以外にも、フィットネスジムやカフェ、銭湯を運営していて、職員への還元として社割でカフェなどを利用できます。三宝会の拠点である住之江区をより盛り上げ、地域に貢献したいという思いが根幹にあります。

コロナ禍では疲弊して退職する人も多くでました。それがきっかけとなり、職場の環境やワークライフバランスを整えていかなければと考え、改善してきました。

石川 創業以来、フルリモートを採用していて、日本各地や海外から働いている仲間がいます。小さなお子さんがいるスタッフがいたため、最初からフルリモートとしていました。その中でもコミュニケーションはしっかり取れるように、週1で個人面談を行い、仮想オフィスを設けて気軽に話せる環境を整えています。

リゾート地や離島、温泉地などでのワーケーションも推奨していて、費用の一部を補助しています。一人ひとりが自分に向き合う時間になり、はたらき方や時間の過ごし方についても考えるきっかけになっています。クライアントと一緒に行くこともあります。

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(左)7Reasons・代表取締役副社長の石川規貴さん。(右)エコノワ・代表取締役社長の幸村龍 さん
Sota Ohara

幸村 「給与会議」とチームビルディングに力を入れています。給与会議では、スタッフが自身や仲間の給与について話し合います。ビジネスモデルや利益構造、経費について皆が理解できるような研修をした上で、話し合っています。 

チームビルディングでは、ストレングスファインダーやライフラインチャートなどの相互理解の研修により、スタッフ同士がお互いの強みや弱み、特徴、そして悩みを理解し合うことで、チームワークが良くなりました。 

約30年前に創業し、2017年まではマネジメントがうまくいかず、2回にわたるスタッフの大入れ替えなどもありました。このままでは会社が崩壊するという危機感をきっかけに2018年に現在の新体制でリスタートし、様々な取り組みを始めました。

真の改革をするには。働き方を改善して見えてきた良い変化

―取り組みは、いかにはたらきがいや離職率、事業に良い影響を与えていると思われますか。アワード受賞への、社内や取引先など周囲の反応は。

岩本 医療業界や介護業界の離職率は15%と他の業界に比べて高いのですが、私たちも数年前まではそれくらいの離職率でした。しかし、働き方改革に取り組んだ後、数値が改善しました。取り組みが少しずつでも成果として出ているのかなと思います。

受賞した時には、このような賞を初めて取ったということもあり、みんな喜んでいました。自分たちがやってきたことが受賞につながったことは、みんなの自信になったと思います。

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座談会の様子
Sota Ohara

石川 他社の経営者が弊社を紹介する時に、「石川君の会社はこの前こんな賞を取ったんだよ」と受賞についても言及してくれて、自分たちが思っている以上に大きなことと捉えてくれ、ありがたいと感じています。 

3期目以降、業績は右肩上がりで、前期では前々期の2倍弱の成長を達成しました。サービスのクオリティを担保するために、人員も増やしています。

幸村 社員が「誇らしい」とも言ってくれ、取引先からも「2代目としてしっかりやっているんだな」と受け止めてもらえたようです。業績としても、毎年、過去最高を達成し続けています。

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エコノワ・代表取締役社長の幸村龍 さん
Sota Ohara

―表面的でなく真の「はたらく人ファースト」な組織にするために日本企業は何を変えていくべきでしょうか。 

石川 既存のやり方や考え方などを一旦全部捨て、ゼロベースで「やるべきこと」を考える必要があると思います。「やりたいことのために何が必要か」と考えて、やらないことをきちんと決め、その上で、継続性を担保する利益を生み出すために、筋が通った考え方や生産システムをつくっていかなければいけません。

永島 今までは「強い組織」と聞いて思い浮かべるのは、社員が同質化されて束ねられ、目的に向かって走っていくというイメージでした。しかし、その形も今、変わってきています。これからの個人と企業、社会の関係性は、それぞれがお互いのために提供し合うという関係性になると思います。

その点をよく考え、変わっていく必要があります。その中で、はたらく人がファーストになり、きちんと成果に結びつけている企業がでてきています。そんな皆さんに、ロールモデルになっていっていただきたいと強く思います。

 

「はたらく人ファーストアワード」について、詳しくは特設サイトから。

受賞企業の「はたらく人ファースト」な取り組みの詳細は、こちらからご覧になれます。

 

(写真:小原聡太)