「働き方改革」を国や企業任せにしていませんか。でも、社員が個人レベルでできることもあるはず。
ちょっとした知恵と工夫で、業務の効率が上がったりスキルアップにつながったりする「半径1メートル以内」の“働き方改革”とは──。大企業やベンチャーなどで働く人たちに聞いたところ、ユニークな事例が相次いだ。
宮本 本日はお忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。現在、多くの日本企業が「働き方改革」を進めていますが、個人単位で取り組める「改革」もあるのではないか、というのが今回の座談会のテーマです。
特に前半は、皆さんに明日から誰でも始められる、ちょっとした働き方の工夫をご紹介いただけないでしょうか。
集中したい時「旗」を立てる 自分の状況を伝える工夫を
清水 職場のエンジニアには、作業に集中したい時、机に置いた「旗」を立てる人がいます。旗の代わりに、ヘッドホンをつける人もいます。
周囲もサインが出ている時は、話しかけるのを遠慮します。ささいなことですが、生産性を上げるためには、自分の状況を周囲に伝える工夫が大切だと感じます。
内藤 弊社では6月以降、段階的にフレックスタイムを導入しました。フレックスをうまく使う一つの方法は、「公言する」ことではないでしょうか。私は仕事の状況、プライベートなことも公言することが多いです。例えば「飲み会なので帰ります」など、理由も含めて同僚に開示してしまいます。
(逆に)「仕事が終わらないので、明日は朝7時に来ます!」など、業務負担がオーバー気味なこともアピールします。
宮本 「公言」も、状況を周囲に知らせる方法ですね。でも「飲み会」とは言い出しにくくないですか?
内藤 それは全くないです。「前の日飲み会だったから」と遅めに出社して夜遅くまで働くなど、周囲にも「公言」タイプの人が多いですし、その方がお互いの状況を理解し合えるので、仕事もスムーズになりますね。
「おいしい」から生まれるコミュニケーション
若原 在宅勤務の時、仕事と家事を交互にこなすのが僕なりの工夫です。
仕事の休憩時間に洗濯機を回し、干す時間まで再び仕事に集中する。洗濯や皿洗いなど単純作業をすると頭がリセットされるし、家事も進んで一石二鳥です。
仕事→家事→仕事というリズムが生まれ、スケジュール管理もしやすくなりました。
宮本 リモートワークの普及で、社員が顔を合わせる機会は減ったと思います。職場ではどのようにコミュニケーションを取っていますか。
若原 週1回、チームでランチを取っています。「話し合い」に重心を置きすぎず、「おいしい物を食べよう」と訴求ポイントを切り替えるのが人集めのコツです。
食べながらざっくばらんな話をする中で悩みを打ち明けられたり、思いもよらない発想が生まれたりするのが対面で話す最大のメリット。業務の打ち合わせは、リモートでも十分可能ですから。
清水 食べ物と言えば、お菓子を入れたカゴを常に持ち歩く同僚がいます。会議でも、このお菓子をつまみながら話すと場が和みます。
小さなことですが、コミュニケーションを良くするため、彼女なりに編み出した方法だと思います。
「疑似転職活動」で能力を棚卸し
宮本 スキルやキャリアアップのために、実践していることはありますか。
若原 僕はキャリアの節目節目で、履歴書と職務経歴書を書く「疑似転職活動」をしています。
自分の強みや足りないスキルが見えて、仕事に対する自主性が強まります。いわば能力の「棚卸し」ですね。
宮本 職務経歴書と履歴書なら1時間もあれば書けますし、明日からでもできますね。
若原 もちろん、実際に転職する必要はありません(笑)。ただ僕自身は会社にしがみつかず、「いつでも転職できるけれど、仕事が面白いからこの会社にいる」という心構えでいたいと考えています。
内藤 私は美容業界にいるので、毎日の顔のマッサージやストレッチなど、体のケアも心がけています。
疲れを翌日に持ち越さず、新鮮な感覚で仕事をしたいからです。会社も「心と体を美しくするための時間」がクリエイティブな発想につながるとして、社員のセルフケアを重視しています。
宮本 「働き方改革」というと堅苦しいですが、「心と体を美しくする時間」を作るのだと思うと、頭に入りやすいですね。
さて、これからの働き方には、男女問わず「家庭と仕事の両立」という視点も不可欠です。両立の知恵や工夫はありますか。
若原 子どもが生まれてから、保育園のお迎えという絶対的なデッドラインができて、仕事の密度が高まりました。育児という「外圧」を、いい意味で生産性アップに利用したいですね。
家事と育児の役割分担はまだ手探りですが、妻とは家ではなかなかじっくり話す時間がないので、平日にランチを一緒に取って、情報を共有するようにしています。また最近、夫婦で楽しむ時間が減ったことに気づいて、子どもを寝かしつけてから2人でテレビゲームをするようになりました(笑)。1日30分程度ですが、子供のためではなく自分たちのために楽しむ時間の大事さもあらためて感じています。
清水 家事分担についてですが、ある同僚は家事を細分化し、誰が何をしているかを付せんで書き出したそうです。
洗濯一つとっても「白い服と色物を分ける」「柔軟剤を入れる」など、実は多くのタスクがあります。それらを明確化することで、家事一つ一つの大変さを実感でき、分担の見直しもしやすくなるようです。
「はたらくアタマに」飲んで作業に集中
宮本 注意力と計算作業の効率維持に役立つアサヒ飲料の「はたらくアタマに」シリーズは、まさに「はたらく人々」を応援したい、という気持ちで開発しました。この商品を「飲みたい!」と思うのは、どんな時でしょうか。
清水 仕事に集中したい時ですね。「さあ、この作業を終わらせるぞ」という時、力を借りたいです。「飲む」という行為が、気持ちを高めるきっかけになると思います。
若原 僕も同じです。小さいボトル(ラクトノナデカペプチドドリンク)を、作業開始のトリガーとして一気に飲むのもいいかもしれないですね。
内藤 会議を始める時、机の上に「はたらくアタマに」シリーズを全種類置いておきたいです。「今日はどれを飲もうか」などの話題作りにもなるし、集中して議論ができるような気がします。
アサヒ飲料は、機能性表示食品「はたらくアタマに」シリーズ5種類を順次発売している。これらの商品は、注意力の維持と、計算作業の効率維持に役立つことが報告されている成分「ラクトノナデカペプチド」を配合。ビジネスパーソンの「はたらくアタマ」をサポートする、心強い味方になりそうだ。
また同社は10月21日まで、働き方を「かえる」方法を広く考えるための「かえる会」キャンペーンも実施している。集中力やモチベーション、生産性を高めるための自分なりの取り組みを、「#はたらきかた何からかえる」のハッシュタグをつけてツイッターに投稿すると、抽選で商品やオリジナルステッカーがプレゼントされる。
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