大阪市の橋下徹市長は2月3日に会見を開き、大阪市長を辞任した上で、再び市長選に出馬することを正式表明した。橋下氏らは、2014年4月に大阪府と大阪市が合体して「大阪都」に移行することを目指しているが、1月31日の法定協議会で区割り案の絞り込みが否決されたことで、スケジュール的に難しくなった。そこで、出直し市長選によって事態打開を図ることになった。
橋下氏は会見で「大阪の将来がかかってるんです。都構想で一案に絞った設計図作りをするためには、市民の後押しが必要です」と訴えた。
「大阪都構想」の制度設計をする大阪府議と大阪市議らで構成される法定協議会では、大阪市24区を5~7の特別区に再編する4種類の区割り案が出ていた。橋下徹氏は、このうち5つの区に分ける案を提案していたが、法定協議会は1月31日に反対多数で否決した。
橋下氏が代表を務める大阪維新の会は賛成したものの、公明、自民、民主、共産の4会派が反対。これまで協力関係にあった公明も橋下氏の提案に反対したことで、大阪都構想の実現は厳しくなっていた。
■橋下氏「僕の首を取ればいいじゃないですか」
この日の会見では記者団から「各党が対立候補を出さないことで、市長選が低調になって、信任投票にならないのでは?」という質問も出た。ニコニコ生放送によると、橋下氏は次のように答えた。
—自民、民主、公明、共産は今のところ候補者を出さない方向で調整していますが、このまま行くと無投票あるいは泡沫候補と市長の選挙になり、非常に低い投票率になることも予想されます。それでも民意は得られるのでしょうか?
橋下氏:維新以外はみんな、設計図づくりで一案に絞ることに反対したんですから。僕は一案に絞るために選挙で問うのでね。反対するんだったら、対立候補を立てないとおかしいんじゃないですか。対立候補を立てないんだったら、僕は一案に絞らせて欲しいといったのに、なんで法定協議会で反対するんですか。それこそ税金の無駄遣いじゃないですか。
選挙を避けて、誰も見ていないような法定協議会の場で反対の採決をして、お金がかかって表舞台に立つ選挙の場に来たら反対しないのは、おかしいんじゃないですか。法定協議会で反対したんであれば、しっかり選挙で反対して欲しいですね。
僕が選挙で再任されたなら、法定協議会の意志に反して、夏までに一案に絞り込みます。これはコメンテーターや学者は「議会の構成が変わらないから意味ない」と言ってますが、議案じゃありませんから、議決はいらないんです。ただ、政治的に法定協議会で反対の意志が表示されたら、それを無視して進めようと思えば、民意を得るしかないじゃないですか。
議員だって住民の代表だからです。反対多数で意志を受けたんだから、それを押し切って進めようと思えば選挙で民意を得るしかありません。それは対立候補を当然立てるべきですよ。法定協議会で反対したんであれば、選挙で反対して、僕の進め方を止めたらいいじゃないですか。僕から市長が代われば、今の法定協議会の都構想の進め方にストップをかけれるんですから。
特に自民党、民主党、共産党は都構想自体に大反対していたわけですからね。僕の首を取ればいいじゃないですか。それで都構想の議論は終わるんです。僕は住民の皆さんに設計図を示して、最後に住民投票で決めてもらいたい。反対されてもいいんです。僕は賛成になると思ってますけど、最後は住民に問うというね。この究極の民主主義の形をやりたいんです」
橋下氏はこのように話した上で、自分が市長に再任された後も、法定協議会が区割り案の絞り込みを再び否決した場合には「ありとあらゆる手段を使う」と明言。市議会のリコールも含めた対応をすることを示唆した。
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