作家の村上春樹さんが、一般からの質問メールに答える企画で、「『ペンは剣よりも強し』だと思いますか」という質問に答えた。
村上さんは、テロやネットの炎上を引き合いに出し、「ペンは剣よりも強い」となかなか言えない状況である、とした上で、自らの姿勢について、以下のように説明している。
僕は普段は、基本的にむしろ「ペンがあまり強くなりすぎないように」ということを意識して文章を書いています。僕の書く文章ができるだけ人を傷つけることがないようにと思って、言葉を選ぶようにしています。でもそれはとてもむずかしいことで、何を書いてもそれによって傷ついたり、腹を立てたりする人が、多かれ少なかれ出てきます。これはある程度しょうがないんです。でも、それにもかかわらず、できる限り、人を傷つけない文章を書くことを心がけなくてはならない。これは文章を書く人間にとっての大事なモラルなのです。
(ペンは剣より強い方がいいんでしょうか? - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト 2015/02/11)
とし、「みだりにペンを剣より強くしちゃうのは危険なことです」と結んでいる。
読者からの質問を募った「村上さんのところ」は1月31日に受付終了までに、3万通を超えるメールが集まったという。このほかにも、ネットについて「僕は自分のブログも持っていないし、他の人のブログを読むこともありません。フェイスブックもツイッターも興味がありません」と回答したり、ノーベル賞候補になることについて、「正直なところ、わりに迷惑です」と書いている。
村上さんは全てのメールに目を通しているという。
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