4月1日はエイプリル・フール。
ユーモアをたっぷり交えた嘘がネットでも広がる日だが、2020年は「新型コロナウイルスに関する嘘を流すのはやめよう」という声が広まりを見せている。
海外からも声が上がっていて、台湾の蔡英文総統はデマの代わりに猫の画像を拡散しようと提案している。
■著名人や海外のリーダーも
作家・タレントの乙武洋匡さんはTwitterで、「コロナ関連の嘘だけはやめにしませんか」と呼びかけた。人々を不安にさせかねない新型コロナ関連の嘘を流すことは「愉快犯だと思う」と断じたうえで「専門家の意見に耳を傾けるべき時期に、雑音を混ぜ込むのはやめましょう」とした。
「ゴールデンボンバー」の歌広場淳さんも同様に、「ウイルス関連のデマを流したり、混乱をきたすような嘘をツイートする人が現れませんように…!」などとつづった。
同じ声は海外でも上がっている。台湾の蔡英文(さい・えいぶん)総統は3月31日、自身のフェイスブックで「我慢できない人はユーモアセンスを発揮しても良いですが、新型コロナで冗談を言ってはいけません」と投稿。台湾の法律に触れる可能性もあると警告した。
猫好きで知られる蔡総統は、代わりに「幸運を呼ぶ」とした猫の画像を拡散するように呼びかけ、「エイプリル・フールはユーモアだけじゃなく、平和で健康的に過ごしてください」と締めくくった。
■新型コロナで広まったデマ
これまでに、新型コロナウイルスをめぐってはネット空間で多くのデマが広がったことが分かっている。
その1つが「ウイルスは高温で死滅するからお湯を飲んで予防して」というものだ。TwitterやLINEなどで出回ったが、専門家は「常識的に考えてありえない」と明確に否定している。
そのほか「中国の工場が止まり、トイレットペーパーが入手困難になる」も嘘だった。製造会社が否定し、官房副長官も買い占めや転売をしないよう呼びかける事態に発展した。
また、「中国が新型コロナウイルス 感染症を“日本肺炎”と呼んだ」というデマもあった。こちらは初歩的な誤訳によるものだったが、一時、Twitterで拡散していた。