TBS系のドラマ・日曜劇場「半沢直樹」で、第1話に登場した世界各地の国や地域の旗が、1週間後の再放送では画面から消されていたことが分かった。
なかには台湾政府が「国旗」とする「青天白日満地紅旗」も含まれていて、放送された当時、中国大陸では一部で反対の声があがっていたが、TBSは削除した理由について「お答えしない」としている。
■見比べてみると...
「半沢直樹」は池井戸潤さんの小説が原作のドラマ。2013年放送の前作では、俳優の堺雅人さん演じる主人公・半沢の「倍返しだ!」というセリフが大流行した。
旗が登場するのは7月19日に放送された第一話の序盤。
半沢がオフィスで妻・花(上戸彩さん)と電話するシーンで、半沢の背後に設置してある大型のモニターが映り込む。そこには日本やアメリカ、それにイタリアなど、世界各地の国や地域の名前と旗が表示され、「台湾」の横には台湾政府が「国旗」とする青天白日満地紅旗が描かれていた。
一方で、1週間後の26日の再放送では、同じシーンのなかで、モニターに表示された国や地域名はそのままだったものの、旗の表示は全て消されていた。
台湾も「台湾」との表記はあるが、旗は消えていた。
■中国からは反対の声も
「半沢直樹」シリーズは中国大陸でも人気。「倍返しだ!」の中国語訳「加倍奉還」も流行り、今作も日本ドラマファンを中心に注目を集めていた。
しかし、初回放送で台湾の旗が映し出されたことに、現地の一部ファンから疑問を呈する声が上がっていた。また、この騒動に伴い、一部の動画サイトでは、アップされていた「半沢」シリーズが見られなくなったとの報告も相次いだが、そもそも違法にアップロードされていた可能性もあり原因は不明だ。
中国政府は台湾統一を悲願とし、台湾は中国の一部とする「一つの中国」原則を掲げている。一方で、台湾の蔡英文総統はイギリス・BBCのインタビューに「我々はすでに独立国家だ」と話している。
今回、国や地域の旗が一斉に消えたことについて、TBSは「制作過程についてはお答えしておりません」としている。