吉高由里子が主演するNHK連続テレビ小説「花子とアン」。4月11日には、関東地区で平均視聴率22.3%(ビデオリサーチ調べ)を記録するなど、視聴率は好調だ。
21日からは、ヒロイン・花子の親友となる葉山蓮子(仲間由紀恵)が登場。桜吹雪のなかを蓮子が歩く印象的な初登場シーンとなったが、ロケ当日は強風で桜がうまく飛ばず、撮影は苦労したようだ。NHKの公式ページは、当日の様子を紹介している。
演出陣の話では、蓮子のイメージは「桜」だそうです。(中略)ロケ当日は強風。スタッフが用意した花びらを大量にまくものの、強風に流されてしまいなかなかうまくいきません。少しでも風が静まるタイミングで、風の流れを読み、苦労しながら撮影されました。
(NHK連続テレビ小説「花子とアン」『NHK連続テレビ小説「花子とアン」』より)
葉山蓮子は、花子より8歳上の伯爵家の娘。蓮子のモデルは、のちに歌人として名を馳せる柳原白蓮(伊藤燁子=あきこ)だ。「花子とアン」の原案となった『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』(新潮文庫)によると、白蓮は大正天皇の従姉にあたる。
14歳で結婚したが、結婚生活に耐えかねて実家に戻り、24歳で女学校に編入して花子と出会った。政略結婚で福岡に嫁ぐが、後に年下の青年と駆け落ちし、"白蓮事件"として世間の注目を集めた。その人生は、菊池寛の小説『真珠夫人』のモデルになったといわれるほど波瀾に満ちたものだった。近年では林真理子さんが、小説『白蓮れんれん』で白蓮の人生を描いている。
脚本家の中園ミホさんは、花子と蓮子の友情について「育った環境が違う2人が親しかったのは、新鮮」として「お互いに運命の人だった」などとNHKのインタビューで語っている。
育った環境がまるで違う2人が親しかったとうのは、新鮮であり、驚きでした。私は、百蓮が何を考えているのか分かるような気がしています。
ドラマの中心に女の友情をドーンと据えて書くのは、私は今回が初めてですが、お互いの影響の与え方などは恋愛と同じなんだなと感じました。出会う前と、出会ったあとでは2人の人生が大きく変わっていく。お互いに運命の人だったのでしょうね。一度は絶交しますが、そのあと友情はより深まります。
(NHK連続テレビ小説「花子とアン」「脚本 中園ミホインタビュー」より)
ナレーションを担当する美輪明宏さんによれば、「当時は、蓮子のような魅力的な女性はたくさんいた」という。
時代が違いますので、私は白蓮さんとはお会いしたことはありませんが、似たような女性たちはたくさん存じ上げています。
たとえば、白蓮さんと同じような運命をたどった伯爵家のご夫人がいらっしゃいまして、今でもお付き合いがあります。もう85歳か86歳になられていますが、まだ壮健でいらっしゃいます。
ほかにも、「何が伯爵家だ!」と実家に離縁状をたたき付けて家を出て、最初は上野で男物のメリヤスのパッチを売り、そのあとアルゼンチンへ飛んでタンゴバンドを連れて帰国し、日本全国を演奏旅行で回ったり・・・。そりゃあもう、自分の好きなように生きた魅力的な女性たちが当時はたくさんいらっしゃいました。
(NHK連続テレビ小説「花子とアン」「語り 美輪明宏さんインタビュー」より)
【NHKの関連記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー