今日8日(火)3時現在、大型で猛烈な勢力の台風19号(ハギビス)は日本のはるか南の海上にあるマリアナ諸島を西北西に進んでいます。
▼台風19号 10月8日(火)3時
存在地域 マリアナ諸島
大きさ階級 大型
強さ階級 猛烈な
移動 西北西 30 km/h
中心気圧 915 hPa
最大風速 55 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 75 m/s
>>最新の台風情報
今後さらに発達 中心気圧は900hPaへ
衛星画像を見ると、中心付近には非常に発達した雲が密集していて「台風の目」も見えています。
このあとも海水温の高い海域を進み、今日の午後には、中心気圧900hPa、最大風速60m/s、最大瞬間風速85m/sにまで発達することが予想されています。
これは今年発生した台風の中で最も強い勢力となります。
三連休に日本列島接近のおそれ
台風19号の影響で、小笠原諸島では明日9日(水)から12日(土)にかけて大しけとなるおそれがあり、高波に警戒が必要です。
その後やや勢力を落とすものの、三連休初日の12日(土)には紀伊半島沖を北上し、13日(日)3時には中心付近の気圧は955hPa、中心付近の最大風速は40m/sと強い勢力で、関東地方を中心とする予報円の中に進む見込みです。
まだ予報円が大きく、進路や接近のタイミングがしっかりと定まっていない状況ではありますが、日本列島の広い範囲で暴風や高波、大雨、高潮などに厳重な警戒が必要です。
接近までにはまだ時間がありますが、最新の気象情報を確認して、早め早めに対策をするようにしてください。
先月の台風15号による被害に匹敵のおそれ
先月の台風15号では、千葉県を中心に広い範囲で長い時間停電したことが記憶に新しいところですが、今回も特に台風の進路の東側に当たるエリアでは15号の千葉県と同等レベルの被害が出るおそれがあります。
昨年2018年の台風21号では、特に近畿地方を中心に最大瞬間風速で50m/sを超える猛烈な暴風が観測されました。この風の影響で、各地で屋根や窓ガラスの破損、近畿地方や東海地方を中心に大規模な停電が発生するなど多くの被害が発生、さらに高潮の影響で、関西国際空港では滑走路が浸水して閉鎖され、加えて連絡橋の破損により最大約8,000人が孤立状態になりました。
同じく昨年の台風24号では台風の中心が通過した近畿地方南部や東海地方、関東地方では40m/sを超える最大瞬間風速が観測されました。各地で屋根や看板が吹き飛ぶ、窓ガラスが割れるといった建物損壊の被害がみられたほか、中部電力管内では119万軒、東京電力管内では51万軒を超える大規模な停電となりました。
交通やインフラへの影響も懸念
今回の台風19号は暴風に加えて、秋雨前線の影響で接近前から大雨となるリスクがあります。また、台風がもっとも近づく12日(土)から13日(日)頃は大潮となっているため、高潮が発生するおそれもあります。
まだ進路が定まっておらず予想が変化する可能性はありますが、今年最強レベルまで発達し、勢力をあまり落とさず日本列島に接近するので、交通機関やインフラ設備への影響が広い範囲、かつ長期間に及ぶおそれがあります。早めの対策を心がけてください。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風19号の名前「ハギビス(Hagibis)」は、フィリピンが提案した名称で、「すばやい」という意味の言葉が由来です。
参考資料など
衛星赤外画像(情報通信研究機構(NICT)より)
写真:ウェザーニュースアプリからの投稿 ao∗akua さん
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