「雇ってもらいたかった」10代の少年がアップルをハッキング ⇒ 500豪ドル分の「善行」を命じられる

有罪判決を記録せず、「貴重な才能」を善行に使うよう命じました。
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Engadget 日本版

オーストラリアの少年裁判所は、アップルのメインフレームを2回ハッキングした10代の少年に対して有罪判決を記録せず、「貴重な才能」を善行に使うよう命じました。この少年の動機が「アップルに雇ってもらいたかった」であったことや、アップルに金銭的および知的財産権的な被害がないとの判断に基づいたものです。

南オーストラリア州のアデレード在住の少年(現在17歳)は2015年12月、13歳のときにメルボルン在住の仲間と共にアップルのメインフレームに侵入。そして2017年初めに再びハッキングし、内部文書とデータをダウンロードしたとのことです。その行動はオーストラリア連邦警察(AFP)を通じて、米FBIに報告されています。

少年側の弁護士は、当時の本人が行動の重大さに気づいていなかったと主張。同様のことをした人物がアップルに雇われたとの噂を聞き、ハッキングが発覚すれば自分も仕事がもらえる可能性があると期待していたと述べています。

さらに弁護士は、少年が大学でサイバーセキュリティと犯罪学の研究を望んでおり、前科が将来の雇用に影響を与える恐れがあるため、有罪判決を免れるよう依頼してきたと証言。「私のクライアントは意欲がある」と述べています。

これに応えて、治安判事は有罪判決を記録せず、9ヶ月間で500豪ドル(約3万8000円)分の善行をするよう命令。「彼は情報技術に関して才能があることは明らかであり、才能がある利点を持つ人はそれを乱用する権利はない」と申し渡しています。

オーストラリアABCの取材に対して、アップルは判決自体にはノーコメント。その一方でメインフレームへの侵入については「自社のネットワークを慎重に保護し、脅威を検知して対処するための情報セキュリティチームを擁しています」「わが社のチームは不正アクセスを発見し、封じ込め、事件を法執行機関に報告しました」とした上で、ユーザーの個人データは危険にさらされていないと強調しています。

今回とは真逆の方向ですが、グループFaceTimeの盗聴バグをいち早く見つけたのも14歳の少年でした。セキュリティホールやハッキング対策には、若い才能が求められているのかもしれません。

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