ジョージ・フロイドさんの死に対する抗議が続くなか、アメリカ・ウィスコンシン州にあるジムが、フロイドさんが警察官に抑えつけられている間に発した「息ができない」という言葉をもじったトレーニングプログラムを作り、非難を浴びている。
トレーニングを作った同州ウォーワトサにあるエニタイムフィットネスは、その後謝罪した。
Twitterに投稿された画像によると、ホワイトボードに35分間の「息ができない」トレーニングプログラムとその内容が書かれている。
トレーニングリストの横には、ひざまずく人物のイラストが描かれ、一番下には「どうか横にならないでくれ」という言葉が綴られている。
投稿者は「エニタイムフィットネスがジョージ・フロイドさんの死をふざけて使っているけれど、とても不適切で人種差別」と懸念を示している。
ジョージ・フロイドさんは5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで白人の警察官のデレク・ショーヴィン容疑者に首を押さえ付けられて亡くなった。
首を押さえ付けられている間、フロイドさん何度も「息ができない」と訴えていた。
フィットネスジムが、亡くなった人への敬意を表するプログラムを作ることはある。
しかし、残虐な方法で殺されたフロイドさんの言葉を使ったトレーニングに、SNS上では強い反発が起きた。
「これはかなり不快。さっき見て開いた口が塞がらなかった。メンバーを解約していてよかった」
■敬意を示すつもりだったと説明
エニタイムフィットネスは、世界50カ国に4000店舗のトレーニングジムを展開している。
ウォーワトサ店の協同経営者ジェン・ダニングトン氏は、トレーナーの一人がジョージ・フロイドさんに「敬意を示すために」にこのトレーニングプログラムを作ったとTMZの取材で説明した。
「ハードなエクササイズを通して、フロイドさんの苦しみを感じる目的」だったという。
しかし、不適切なプログラム内容は炎上。エニタイムフィットネスはその後、幹部による謝罪の声明を発表した。
「作った意図がどんなものであったとしても、私たちはこの言葉やイラストやアクションを許容することはできません。私たちは従業員、オーナー、そして会員のみなさまに、心から今回の出来事をおわびします」と謝罪を綴る。
また、今後こういったことが起きないように世界中の店舗のオーナーや従業員へを教育し、人種差別的な行動について周知させるとも述べている。
ダニングトン氏もFacebookに謝罪を投稿し「『息ができない』トレーニングについて、心からお詫びします。作った意図がどんなものであったとしても、私たちが使った言葉やイラストや行動は、人を不快にするものでした」と反省の意を示した。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。