長く続いている梅雨が終わると、次は突発的に激しい雨や雷雨となる「ゲリラ豪雨」のシーズンに突入。ウェザーニュースでは、今シーズン(7月〜9月)の発生傾向を発表します。
■ ゲリラ豪雨傾向のポイント ■
・東京や大阪で90回予想
・発生総数は昨年比1.4倍
・発生ピークは8月上旬の予想
・高気圧の縁にあたる北日本で多発
東京や大阪で90回予想
2020年7月〜9月のゲリラ豪雨(※注1)は、全国でおよそ2,400回発生する予想です。
東北南部や北海道の山沿いを含むエリアで発生回数が多く、100回以上発生するところが多くなる予想です。
特に発生回数が多いのは、北海道(220回)、福島県(170回)で、過去5年平均の約1.7倍、宮城県(120回)では約2.1倍となります。
その他人口の多いところでは、東京で90回、愛知で60回、大阪で90回となる見込みです。
発生総数は昨年比1.4倍
発生総数は昨年に比べると1.4倍でやや多いものの、過去5年平均と比べると約6割となる見込み。都道府県ごとでみても、過去5年平均と比較すると、今シーズンは少なくなるところが多くなりそうです。
例年より発生回数が少なくても、一回一回のゲリラ豪雨で冠水や浸水など被害が発生するおそれがありま す。油断せず、最新の見解や自治体情報をこまめにご確認ください。
事前に避難場所の確認をするのはもちろんのこと、マスクや消毒液など避難用のものを今から揃えておくと安心です。
発生ピークは8月上旬の予想
ゲリラ豪雨は、太平洋高気圧が弱まって湿った空気が流れ込む時や、上空の寒気が通過し大気の状態が不安定になる時に発生しやすい現象です。
今シーズンのゲリラ豪雨は、8月上旬をピークに集中して発生する見込みです。 時期別の気象条件をみていくと、7月末から8月末にかけて晴れる日が多くなる予想です。
ただ、北日本を中心に湿った空気の影響を受け、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。8月上旬はゲリラ豪雨の発生ピークとなるため、天気の急変に特に注意が必要です。
9月上旬からは晴れる日があるものの、度々台風の影響を受けるなど、ゲリラ豪雨の発生は減少していきます。9月中旬は移動性の高気圧や前線の影響を交互に受け、季節の歩みを感じるとともに、ゲリラ豪雨のシーズンも終息に向かう見通しです。
高気圧の縁にあたる北日本で多発
今シーズンは、太平洋高気圧の西への張り出しが平年より強い予想です。
このため、高気圧の中心に近い西日本・東日本では、下降流の影響でゲリラ豪雨を引き起こす積乱雲が発生しにくい条件となり、ゲリラ豪雨の発生回数は例年に比べて少なくなる予想です。
一方、高気圧の縁にあたる北日本では湿った空気が流れ込みやすい条件となるため、ゲリラ豪雨が多く発生する予想で す。
※注1 “ゲリラ豪雨”発生回数の求め方
“ゲリラ豪雨”をもたらす雨雲・雷雲は、予測可能な前線による雨雲とは異なり、“突発的”かつ“局地的” に発達するのが特徴です。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1,300か所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難です。そこで当社では、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」の全国のユーザーから届く降雨報告(※注2)において、“ザーザー” (5段階中の2番目)以上の強い雨が報告され、かつ、過去1時間に雨の報告が2割以下の場合を “ゲリラ豪雨”とし、10km四方ごとにカウントしています。
※注2 降雨報告について
スマホアプリ「ウェザーニュース」を通し、“ポツポツ”、“パラパラ”、“サー”、“ザーザー”、“ゴォーー”の5段階で報告されます。
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