人間の言葉をよく覚え、ペットとして日本でも人気の大型インコ「ヨウム」の個体数が乱獲で急減し、絶滅の恐れが高まっているとして、生息国の一つのガボンが国際取引の禁止を提案した。9月に南アフリカで開かれるワシントン条約の締約国会議で議論されるが、欧州連合(EU)が支持を表明、アメリカも支持する方針で、取引が禁止される公算が大きい。5月2日に共同通信が報じた。
■ヨウムとは?
ヨウムは体長30cmを超える大型のインコで、灰色のの体色と鮮やかな赤い尾羽が特徴だ。コンゴ民主共和国やガーナなどアフリカ中部から西部の森林地帯に生息する。
ナショナル・ジオグラフィックによると、人間の言葉をまねるのが並外れて得意なヨウムは、世界中の家庭でペットとして珍重されている。2~5歳児と同等の知能を持ち、ある程度の言葉を覚えるだけでなく、簡単な文章も作れることが研究で証明されているという。
国際環境NGOの「バードライフ・インターナショナル」では、過去20年間に西アフリカや中央アフリカで捕獲されたヨウムは、100万羽を超えたと試算している。アメリカでは1992年、野生のヨウムの輸入が禁止された。EUも2007年に同様の措置を講じている。
日本はヨウムの主要輸入国の一つで、毎年400~500羽程度のヨウムが輸入され、1羽につき15~30万円の高値で売買されている。
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