ギリシャ支援失効へ 政府など市場の混乱回避へ対策
財政危機にあるギリシャの国会は28日未明、欧州連合(EU)などからの金融支援の前提となる改革案の受け入れの是非を問う国民投票を、7月5日に実施することを決めた。27日のEUのユーロ圏財務相会合が、30日期限の金融支援プログラムの延長を拒否したことから、ギリシャで資金が不足する可能性がある。週明けの世界の金融市場が混乱する恐れもあり、ギリシャ政府や欧州中央銀行(ECB)は対策に乗り出す構えだ。
「反緊縮」勢力が強いギリシャ国会(定数300)は、賛成178票、反対120票で国民投票を承認した。チプラス首相は「国民は最後通告に対して明確にノーと言うだろう。支援側はギリシャが降伏しないことを目の当たりにする」と演説し、国民に反対票を投じるよう呼びかけた。
それに先立つユーロ圏財務相会合では、チプラス氏が国民投票の実施を表明したことに対し反発する声が強まり、ギリシャの期限延長の要請に応じなかった。支援プログラムは30日で失効するため、改革案を問うはずのギリシャの国民投票の結果がどう位置づけられるかは不透明だ。
(朝日新聞社提供)