万里の長城、ぺったんこに コンクリートでの修復に「お粗末」と批判の声

万里の長城といえば、おそらくこのような風景を思い浮かべるだろう。

中国にある万里の長城といえば、おそらくこのような風景を思い浮かべるだろう。

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北京北部にある慕田峪近くの長城にある複数の塔。秋の季節、高い山々。

うねるような丘、古くからある塔、美しく彫られた石の芸術。しかし……。

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問題の「修復された」遊歩道は、遼寧省と河北省の境界付近。※上の写真と同じ場所ではない

これは2014年の写真。中国北東部にあって700年の歴史を誇る万里の長城で「修復された結果」の写真が今週ネットに掲載され、中国内外で怒りの声が湧き起こっている。

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

たしかに、古代の驚異的な建築物の一部が、現代的な自転車道のようになっている。

長城の壊れた箇所を単にモルタルで埋めたようだが、いい加減なメンテナンスが議論を呼んでいる。

現地当局はニューヨーク・タイムズに「セメントを使用していない」とコメントしている。代わりに砂と石灰を混ぜた材料を使ったというが、その方法は遼寧省と河北省の境にある綏中県当局の承認を得たという。

万里の長城協会で副会長を強める董耀徽さんはCNNの番組で、修復作業は「お粗末だった」と述べた。

彼はニューヨーク・タイムズにも、「このように長城を修復したことで全ての文化と歴史を台なしにしてしまった」と語っている。

国連教育科学文化機関(UNESCO)によると、世界文化遺産である万里の長城の保護と修復は、中国国家文物局が中心的な役割を担っているという。同局は地方政府に対し修復作業を指導する立場にある。高まる批判を受け、修復から2年経過した作業(完了までにかかった期間は3か月)の審査が現在行われている。

今回話題となっている8キロに及ぶ箇所は万里の長城の中でも「荒れ果てた」地域として知られ、他の場所と比べて訪問者も少なかった。この長城の全長はかつて8851.8キロとされていたが、2012年に2万1196.18キロと公式発表されている。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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