突然変異で体がピンク色になったとみられるバッタが千葉県東金市などで見つかり、県立農業大学校が親バッタと同じピンク色の子の繁殖に成功した。
県立農業大によると、親バッタと同じピンク色の子が生まれた例は世界でも珍しく、国内では聞いたことがないという。清水敏夫准教授は、鮮やかな色合いについて「まるでミョウガみたい」と話している。
繁殖に成功したのは、直翅目キリギリス科に属するバッタの一種「クビキリギス」で、本来は体が緑や茶色をしている。
大学校の生徒が2017年9月、東金市内の水田で体がピンク色の複数のクビキリギスを発見。そのうちメス1匹を、イネ科の植物ソルガムやメヒシバを備えた温室で飼育したところ、7月21、22日に親と同じピンク色をした子3匹ほどの繁殖が確認された。クビキリギスは、交尾をせず1匹が卵を産む「単為生殖」で繁殖する。
清水准教授によると、クビキリギスはピンクの色素も持っており、何らかの理由で緑と茶の色素が現れず、ピンクだけが出現したとみられる。国内で発見された例は過去にもある。体内のメラニン色素を生成する能力が乏しく、皮膚や毛髪、目などが白くなる「アルビノ」と同じような現象とみられるという。
今回の繁殖例について、今後国内の専門誌で発表する。
清水准教授はハフポスト日本版の取材に「ピンク色の親バッタからピンク色の子が生まれるのは極めて珍しい。緑色の子が生まれると思っていたので、成功した時はびっくりしました」と説明。鮮やかなピンク色をみた時は「まるでミョウガみたいだった」と振り返った。