自己流で研鑽を積んで動物の行動を学び「ライオン・ウィスパラー(ライオンと交流できる人)」になったというケヴィン・リチャードソン氏は、上の動画に映っているように、ライオンなどの大型捕食獣を、型破りなやり方で扱ってきた。
リチャードソン氏は、南アフリカのヨハネスブルグ近郊にある私営動物保護施設「ライオンパーク」を運営している。同氏は、自分で編み出した独自の方法について、「母親が子供を理解するのとまったく同じように、個々の動物の個性、つまり、それぞれの動物を怒らせたり、幸せにしたり、動揺させたり、いらいらさせたりするものは何かを知ろうとする」ものだと説明する。そしてそのおかげで、動物たちは自分をまるで仲間のように受け入れてくれると主張する。
ただし、人を個人として認識し、絆を築いたライオンは、上の動画に映っているライオンたちが初めてというわけではない。「ライオンのクリスチャン」の動画(1969年、ロンドンで販売されていた赤ん坊ライオンを1歳まで育てた青年たちが、ケニアで野生に帰したところ、1年後再会したときに認識して抱きついてじゃれてきた動画)や、自分を救ってくれた人間と6年後に再会して抱きつくライオンの動画を見てもらいたい。
野生動物との交流は危険を伴うこともあるが、ユニークな映像を見るかぎり、ライオンたちがリチャードソン氏と会って喜んでいるように見えるのは間違いない。
動画は、ヘルメットなどに装着できる小型カメラ「GoPro」を使って撮影されている。
[Sarah Barness(English) 日本語版:松田貴美子、合原弘子/ガリレオ]