インターネット上に掲載された個人情報の削除を求める「忘れられる権利」をめぐり、ヨーロッパ連合(EU)司法裁判所は5月13日、アメリカのIT大手Googleに対し、自分の情報へのリンクを検索結果から削除するよう求めたスペイン人男性の請求を認める判決を言い渡した。時事ドットコムなどが報じた。
EUは、情報保全に関する規則に個人の「忘れられる権利」を明記する方針で、判決はこれを先取りして認めた形だ。これにより、個人は時間が経過し、現状にそぐわなくなった過去の情報の削除を求めることが可能となった。
(時事ドットコム『グーグルに個人情報削除命令=「忘れられる権利」認める-欧州司法裁』より 2014/05/13 21:07)
判決は「忘れられる権利」を認め、掲載時の目的と時間の経過を考慮して、情報が「不適切、すでに関連性がない、過度である」場合には、削除を求められるとした。
この裁判では、スペイン人の男性が、16年前に所有していた不動産が負債のために競売にかけられたことを伝える地元の新聞記事が、問題が解決したあとも自分の名前で検索すれば記事へのリンクが現れるとして、検索大手のグーグルに、このリンクを検索結果から削除するよう求めていました。
(中略)ただ、判決は、「情報の主体が公人で、公共の知る権利が優先されるような場合は、例外に当たる」としています。
(NHKニュース「忘れられる権利 EUの最高裁が認める」より 2014/05/14 04:28)
個人情報保護やプライバシーに敏感なヨーロッパでは、「忘れられる権利」の必要性が活発に議論されている。EU域内に効果が及ぶ同裁判所の判断は、今後、大きな影響を与えそうだ。
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