ゴジラ裁判が和解、新作公開の支障なくなる 本多猪四郎監督の遺族と東宝など4社

日本が誇る怪獣映画『ゴジラ』の著作権をめぐる裁判が和解していたことが、11月26日までにわかった。ゴジラのデビュー作である映画『ゴジラ』(1954年)の監督である故・本多猪四郎氏の遺族が、2011年以降、映画会社の「東宝」など4社に対して損害賠償請求をしていた。法廷闘争に終止符がついたことで、ゴジラの関連商品や続編の製作にもはずみがつきそうだ。
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SAN DIEGO, CA - JULY 17: Godzilla invades Comic-Con International 2013 at San Diego Convention Center on July 17, 2013 in San Diego, California. (Photo by Gabriel Olsen/Getty Images)
Gabriel Olsen via Getty Images

日本が誇る怪獣映画『ゴジラ』の著作権をめぐる裁判が和解していたことが、11月26日までにわかった。デビュー作である映画『ゴジラ』(1954年)の監督を務めた故・本多猪四郎氏の遺族が、2011年以降、映画会社の「東宝」など4社に対して損害賠償請求をしていた。

和解内容は明らかにされていないが、法廷闘争に終止符がついたことで、2014年5月に公開されるハリウッド版ゴジラの権利問題がクリアになった格好だ。

この裁判は、東宝が許諾して、パチンコメーカーの「ニューギン」が2010年に発売したパチンコ台「CRゴジラ~破壊神降臨~」のCMをめぐる物。本多監督の長男である本多隆司氏らが、東宝やニューギンなど4社を相手に2011年10月、東京地裁に訴えた。損害賠償や差止請求の費用として、東宝やニューギンなど4社に対して計1億2700万円の支払いを求めていた。

遺族側は「ゴジラの映像や着ぐるみのデザインには本多監督が関与しており、遺族に無断で東宝がキャラクター利用をすることは不当」と主張。東宝は「ゴジラのキャラクターは、プロデューサーの田中友幸氏が発案し、東宝が著作権を継承している」として、真っ向から対立していた。

問題となったパチンコ台のCMのみならず、ゴジラというキャラクターの著作権が誰に帰属するかをめぐって泥沼の裁判となった。

映画製作から60年近くたっており、当時を知る人もほとんどが故人だ。裁判の長期化が予想されていたが、今年6月21日に突然の和解に至った。肝心の和解条項については、東宝側から「営業秘密の保護のための閲覧制限」の申し立てがなされていて、内容を確認できなかった。

東宝の法務部の担当者はハフィントンポストの取材に対し、「守秘義務があるので和解したという内容以上のことは答えられない」と回答。本多隆司氏も「裁判内容に関しては答えられない」と話しており、どんな和解をしたのかは判明していない。

ただ、特撮業界に詳しい映画関係者は、

「来年にハリウッド版2作目となるゴジラ映画が控えているので、それまでに東宝としても決着をつけたかったのだろう。裁判になっていたことで、ゴジラの映像使用許可が下りづらいなどメディアミックスにも支障が出ていたが、和解したことでゴジラの露出も今後増えていくのではないか」

と話しており、ゴジラのメディアミックスに関しては朗報となりそうだ。

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