宜野湾市長選、現職の佐喜真淳氏が再選 翁長知事、表情硬く「申し訳なく残念」【UPDATE】

安倍政権と翁長沖縄県知事の「代理戦争」の構図。
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アメリカ軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市の市長選が1月24日、投開票され、自民、公明が推薦した現職の佐喜真淳氏(51)が、新顔で元県職員の志村恵一郎氏(63)=いずれも無所属=を破り、再選された。NHKニュースなどが報じた。

市の公式サイトによると、投票率は68.72%。2012年の前回選の63.90%を上回った。開票結果は以下の通り。

▽佐喜真淳(無・現)当選、2万7668票。

▽志村恵一郎(無・新)2万1811票。

沖縄 宜野湾市長選 現職の佐喜真氏が再選 NHKニュースより 2016/01/25 05:00)

選挙の最大の争点は、普天間飛行場の移設問題だった。名護市辺野古への移設を進める佐喜真氏と、翁長雄志沖縄県知事のほか、民主党沖縄県連、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたち、地域政党の沖縄社会大衆党の支援を受け、移設反対を主張する志村氏の一騎打ち。基地問題で激しく対立する安倍政権と翁長知事の「代理戦争」の構図となった。

選挙戦では、佐喜真氏はディズニーリゾートの誘致計画などにより、市内の雇用倍増を図ると訴えたが、基地移設については、基地の返還を強調する一方で移設先には言及を避けた。

志村氏は医療ツーリズムも視野に入れたオーシャン・リゾート建設を提唱。基地移設については、県内移設を伴わない閉鎖・返還を実現すると訴えた

■佐喜真氏「一番の犠牲者は市民」、翁長氏「大変申し訳なく残念」

今回の結果を受けて、佐喜真氏は支持者の前で「普天間飛行場の一番の犠牲者は市民だ。『固定化を絶対に避けたい』という民意が示されたことが勝利につながった」と述べた

自民党の茂木敏充選対委員長は24日夜、党本部で記者団に「与野党対決型で沖縄の地の選挙に勝利できたことは大変大きい」と語った。

志村氏は重い口調で「すべて私の責任。不徳の致すところ。オール沖縄のみなさんの期待に応えられなかった」と深く頭を下げた。翁長氏は報道陣に「大変申し訳なく残念に思います」と述べた

■選挙結果、今後の影響は

朝日新聞デジタルは選挙結果について、次のように分析した。

翁長氏は選挙期間中、「(志村氏が)敗れれば、辺野古反対の民意は消えたと宣伝される」と危機感をあらわにしてきたが、「辺野古反対」に重心を置きすぎた戦略が裏目に出た面がある。「選挙で示された民意」を最大の後ろ盾として安倍政権と対立してきたが、今回の結果は6月の県議選、夏の参院選に影響する可能性もある。

 

宜野湾市長選、現職の佐喜真淳氏が再選:朝日新聞デジタルより 2016/01/24 21:09)

なお、2014年1月の名護市長選と、同11月の沖縄知事選では、辺野古への移設反対派が連勝していた。

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