ジャーマンウィングス機を墜落させたルビッツ副操縦士に関する8つの事実と7つの憶測

さまざまな憶測はできるだけ排除し、これまでに出てきたルビッツ副操縦士に関するすべての情報を箇条書きにしてみた。
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格安航空会社ジャーマンウィングス機のアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が、3月24日に意図的に9525便をフランスのアルプス山中に墜落させた証拠が山のように出てきている中、ルビッツ副操縦士がこれまでどういう人生を歩んできたか、その詳細に注目が集まっている。現在さまざまな報道がされているが、公式に発表されたものと、事故に直接関連するものだけに絞ってみよう。さまざまな憶測はできるだけ排除し、これまでに出てきたルビッツ副操縦士に関するすべての情報を箇条書きにしてみた。

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アンドレアス・ルビッツ副操縦士

公式に判明したこと

■ ルビッツ副操縦士は、航空機が山に墜落するようにプログラミングしていた。

スウェーデンの航空記録サービス「フライトレーダー24」が衛星から検出したデータによると、航空機の自動操縦が手動で高度100フィート(約30メートル)の航行に切り替えられていた。これは設定が可能な最も低い高度だ。

これはパイロットがコックピットから離れた後に起きたと、フランスのブライス・ロビン検察官が26日に述べた。

「現時点で説明できることは、副操縦士が意図的に行動し、機長がコックピットに戻れないようにドアを開けることを拒み、高度を下げる指令を行うボタンを押した、ということだ」とロビン検事は述べた。

■ ルビッツ副操縦士はコックピットのドアをロックし、パイロットが中に入れるように呼びかけても反応しなかった。

フライトボイスレコーダーには、パイロットが繰り返しコックピット内に戻すよう要求している様子が記録されている。「機長がコックピット内に戻すよう数回要求しているのが聞きとれる」とロビン検察官は述べた。「機長は自分の名前を名乗っていた。しかし副操縦士は何も返事しなかった」

■ コックピットのボイスレコーダーによると、ルビッツ副操縦士は墜落の瞬間まで呼吸を乱していなかった

このことから、ルビッツ副操縦士には意識があり、意識不明になるような緊急事態に見舞われていなかったことがわかるとロビン検察官は述べた。

■ ルフトハンザグループのカースティン・シュポアCEOによると、ルビッツ副操縦士は6年前にパイロットの訓練を中断した

シュポアCEOは26日の会見で、ドイツの個人情報保護法の規定により、ルビッツ副操縦士が訓練を中断した理由について詳細は明かせないと述べた。

■ シュポアCEOによると、ルビッツ副操縦士はすべての健康診断と訓練に合格していた

■ ルビッツ副操縦士の自宅から発見された複数の医師の診断書によると、彼は病気を抱えており、この情報を会社に隠していた。診断書の1枚は破かれていた。

ドイツのデュッセルドルフの検察当局は27日、「病気の診断が書かれた診断書は破かれていた。これを含め、複数の医師の診断書はいずれも有効なもので、副操縦士の一日の行動やサポートなどについても書かれていた。亡くなったルビッツ副操縦士は自分の健康状態を会社や同僚に隠していたとみられる」と述べた。

ルビッツ副操縦士がどのような病気を抱えていたかどうかは分からないが、ロイターによると、ドイツの医師の診断書には、小さなものも含めてさまざまな病名と医師による治療について書かれていたという。

■ ルビッツ副操縦士の自宅からは自殺をほのめかすメモは発見されなかった

■ 過去2カ月間に、ルビッツ副操縦士はデュッセルドルフ大学病院に2度行っている。

大学病院は、ルビッツ副操縦士がうつ病の治療を求めていたという報道を否定した。

捜査関係者に近い匿名の情報筋からの報道

■ ルビッツ副操縦士は視覚異常の治療を求めていたが、会社には伝えていなかったと言われている。

捜査関係者からの公式な情報としてニューヨーク・タイムズが報じた。

ニューヨーク・タイムズは、「ある関係者は、捜査当局が視覚異常が心因性のものであるという可能性を排除していないと述べた」としている。

■ ルビッツ副操縦士の自宅からは、精神疾患の治療薬が数多く見つかったと言われている。

「捜査当局の高官」が匿名でドイツの新聞「ウェルト」に述べた。この捜査関係者は、ルビッツ副操縦士が複数の神経科医と精神科医の診療を受けていたと述べた。

■ ルビッツ副操縦士は、事故当日を含む一定期間「勤務不可」とする精神科医の診断書を持っていた

捜査当局に近いある匿名の情報筋がウォール・ストリート・ジャーナルに語った。

広く報じられているが、真偽のほどは不明の情報

■ ルビッツ副操縦士は勤務状況に不満を持っていたと伝えられている。

ドイツのタブロイド紙「ビルト」によると、かつてルビッツ副操縦士の恋人だった女性が語った。彼女はフライトアテンダントとして勤務していた時にルビッツ副操縦士と出会った。その時、彼は勤務状況に怒っていたという。

この女性は「私たちはいつも仕事についていろいろ話していました。その時、彼は他の人に変わりたいと言っていました。彼は勤務状況にとても怒っていました」と述べた。「給料も安すぎるし、契約の不安もあるし、プレッシャーが大きすぎたのです」

■ ルビッツ副操縦士はガールフレンドに大声を上げ、喧嘩の最中にトイレに閉じこもってしまったこともある。

■ ルビッツ副操縦士はガールフレンドに対して、「いつかシステムを大きく変えることをする。そしてあらゆる人が僕の名前を知り、記憶することになるだろう」と語っていたと言われている。

以前ガールフレンドだった女性が「ビルド」に語った。しかしこの「システム」が航空システムを指すのか、それともより広いものを指すのかは、はっきりとしていない。

この女性は「私はその時、彼の言っていることの意味が全くわかりませんでした。しかし今は新しい意味で解釈できます」と述べている。

■ ルビッツ副操縦士は14歳の時、所属していた飛行クラブのグライダーで、墜落現場近くを飛んでいた

ルビッツ副操縦士は、1996年から2003年の間、毎年墜落現場からおよそ30マイル(約50キロ)のところにあるフランスのシステロンを旅していた。ルビッツ副操縦士が所属していた飛行クラブのメンバーがフランスのデジタルテレビ局「i-Télé」に述べた。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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