働く職種や地域が限られ、仕事がなくなれば解雇が可能になるような、「限定正社員」を広げる議論について、朝日新聞デジタルが報じている。
政府が注目するのは、転勤や配転、残業もありの正社員と違い、職種や勤務地などを限った働き方だ。いまでも導入する企業は珍しくない。経済成長につながるとして、経営者や学者らでつくる政府の規制改革会議などが普及策を検討し、6月にまとめる成長戦略に盛り込まれる見通しだ。
(朝日新聞デジタル 「正規と非正規の中間「限定正社員」って? 普及策検討中」より。 2013/05/07 02:19)
正社員でも非正規雇用でもない「限定正社員」という働き方。安倍政権は「多元的で安心できる働き方」を目標に掲げ、4月2日に開催された日本経済再生本部で厚生労働大臣に対応を指示した。その中で、現在の正社員の働き方についてデメリットを挙げている。
・ 労働者からみれば不本意な転勤や長時間労働を受け入れなければならないことで家族やワークライフバランスが犠牲に
・ 雇用保障や待遇が手厚い分、企業は正社員採用に慎重になり、雇用の不安定な有期雇用が増加
・ 無限定正社員は「なんでも屋」になってしまい、特定の能力・技能が身に付きにくく、キャリア形成が難しい。
・ このため、転職が難しく、外部オプションが限定され、自己のキャリアの可能性を広げることができない
(第8回規制改革会議 資料4−3から抜粋)
これらの点を改善する方法として「限定正社員」の積極的な活用が検討されているようだ。すでに限定正社員を導入している企業で働いている人からは「いろんな働き方を選べる」との評価がある一方で、「安易な解雇につながるのでは」という不安の声も聞こえてくる。
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