日本では、男性の育休取得率が増加している。しかし、そんな今の時代でも、母親は就労しているか否かに関わらず、家のすべてをこなすことを求められている。つまり、異性カップルでは女性が育児や家事の大部分...特に目に見えない仕事を担っていることが多い。
Instagramアカウント、@momlife_comicsの運営者で2児の母である、アメリカ在住のメアリー・キャサリン・スターさんは2022年頭、母親と父親に対する社会の見方の大きなギャップについて焦点を当てた「図解:育児におけるダブルスタンダード」を投稿し、話題となった。
そんな彼女は3月、子育てのダブルスタンダードをひっくり返したかのようなイラストを公開した。
この漫画では、通常母親がよく話すような内容を父親が話している様子が描かれている。
例えば、漫画の1つでは、男性が子どもを乗せたベビーカーを押しながら、「同僚はいつも僕に、どうやって仕事と育児のバランスをとっているのか聞いてくるんだ」と同じくベビーカーを押す男性の友人に話している。
他の漫画では、女性が同僚に「私は他の女性とは違う。平等を信じてるから、夫の育児を手伝うつもり」と話す姿が描かれている。
「私は他の女性とは違う。平等を信じてるから、夫の育児を手伝うつもり」
これらの話の内容は、家庭内でのカップルの新たな役割分担方法を教える教育者でライフコーチの、ローラ・デンジャーさん(@thatdarnchat)のInstagramから着想を得たという。
「私の以前の作品『図解:育児におけるダブルスタンダード』が話題になった後、ある人がデンジャーさんをフォローするよう勧めてくれたんです」とスターさんはハフポストUK版に語った。
「すぐに彼女の投稿に衝撃を受けました。明らかに女性が話しているであろう内容が、男性の言葉として書かれていたのです。実際は彼女が編集して、男性の意見に見えるように投稿していたんです」
「この内容を夫に読み上げましたが、何度も繰り返さないと理解できないようでした。『男性の視点』として聞くと、混乱するからです。でも、『女性の視点』として聞くと、すぐ理解できるのです」
これがきっかけとなり、スターさんはこれらの内容を漫画にすることにした。イラスト化することにより、このダブルスタンダードがいかに馬鹿げているかを強調し、「母親や父親、雇用主も含め、どれだけ親としての期待値が性別によって変化するかを、立ち止まって考えてほしい」とスターさんは話した。
この漫画をInstagramに投稿して以来、スターさんには世界中の女性からこの漫画がどれだけ自分に影響を与えたかというメッセージが届いている。
また、多くの人が漫画を「読みにくい」と感じたり、いつもは女性が話す内容を男性が話すこと(またはその逆)に慣れずに「違和感」を覚えたりしたと話したという。
「女性の多くは、この漫画と全く同じようなことを言ったことがあるでしょう。でも、話している人の性別を入れ替えると、これがどれだけ性差別的で不公平かがわかります」
スターさんは、家事や育児の分担をより平等にするための問題点について話す場がほしいと、Instagramのアカウントを始めたという。
彼女と夫との間に子どもができる前は、かなり平等に物事が分担されていたという。しかし、親になった途端にどんどん多くの責任がスターさんの肩にのしかかっていった。
そして新型コロナウイルスのパンデミック中、彼女は自分の限界に達した。それ以来彼らは、「天秤のバランスを取り戻す」ことに取り組んでいる。
「異性カップルにありがちな『母親と父親はこうあるべき』、という社会的な期待に支えられている様式を元に戻すのは難しいです」とスターさんは話す。
「それでも、私たちは努力しています。そして私のイラストが他のカップルの励みになればと願っています」
スターさんの他のイラストはこちら⬇︎
「妻は他の母親たちと違ってすごく育児に積極的だから、僕はとてもラッキーだよ。うんちしたオムツも取り替えてくれるし、夜泣きにも対応してくれるんだ」
「人の心なんて読めない!せめて夫がどんな家事の助けが必要か言ってくれたら、時間があるときやるのに。ただ言ってくれればいいのに!」
「ゲーリーはあの役職のオファーを断ったんだってさ。彼の奥さんの仕事が忙しくて、その役職だと家や子どもの世話をしながら勤めるには難しいんだって」
「私の夫って本当に口うるさいの。私は自分の洗濯もするし、庭仕事も手伝うし、週末に子どものサッカー練習への送迎もしてるの。それなのに私は十分やってないって言うの!」
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集・加筆しました。