同性間の結婚を認める法案がイギリスで今週末、成立する。準備の整う2014年夏にも、最初のゲイカップルの結婚が認められる見込みだ。
同性婚は2000年、世界で初めてオランダで法制化された。現在、ベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アイスランド、デンマーク、フランス、アルゼンチン、カナダ、ウルグアイ、南アフリカ、ニュージーランドで法的に認められている(今後法制化が決定された国も含む)。
アメリカではカリフォルニアなど州単位で法制化が進められてきたが、6月に連邦裁判所が同性婚を認める判決をした。強制ではないため、すべての州で導入されるわけではないが、法制化は進むと見られている。
一方、既存の婚姻制度とは別に、パートナーシップ制度として法制化する動きも、ドイツなどで見られる。
同性間パートナーシップの法的保障は、婚姻とは別に、同性間のみで利用可能な新制度を構築するところからはじまった(以下、「別制度型」)。1989年にデンマークで施行された登録パートナーシップ法(registreret partnerskab)がその嚆矢である。同性同士の関係性のみを登録対象としている点や、保障内容が婚姻とほぼ同等である点に特徴をもつ。
(SYNODOS「同性間パートナーシップと法制度」より 2013/4/19)
イギリス版ハフィントン・ポストに寄せられたこのニュースに関するコメントは好意的なものが中心だが、宗教を理由に反対する意見も見られた。
●日本での状況は?
現状、日本では同性婚は認められていないが、憲法第24条の「両性の合意」の解釈が論点となっており、これによって憲法改正が必要かどうかが分かれる。ネット上では、豊島区議会議員の石川大我氏(@ishikawataiga)や、名古屋大学・大学院法学研究科教授の大屋雄裕氏 (@takehiroohya)はじめ、憲法改正は不要だとする論調が強い。
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない(日本国憲法)
石川:(前略)憲法第24条2項は「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」と規定しています。若い法律家の中には、この2項の「個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚する」という部分に注目し、これが同性婚を認める根拠になるのではないか、と主張している方もいます。
津田:つまり、憲法をわざわざ改正しなくても、民法や戸籍法などの法律で同性婚を明確に認めつつ、手続きを整備すれば、同性婚は実現する、と。
石川:はい、僕はそう思っています。
(津田大介公式サイト「なぜ同性婚が必要とされているのか 」より 2013/5/17)
同性婚についての賛否を尋ねた「同性婚にあなたは賛成? 反対? | ゼゼヒヒ - インターネット国民投票」では、賛成89%、反対11%となっている。
●同性婚の問題をめぐる反応
Apple、Starbucks、Google、Facebookなどアメリカでは企業も同性婚を後押し。
「Appleでは結婚の平等を強力に支持しており、この問題は公民権の問題だと考えている。われわれは、今日の判決を出した最高裁に拍手を送る」
「平等は当社の中心的価値だ。Starbucksは20年以上、同棲パートナーの福利厚生を提供している」
「Google社は、すべての人のための同権を完全に支持する」
「Facebookの米国人ユーザーのうち約70%(日本語版記事)が、自分がゲイ、レズビアン、あるいはバイセクシャルであることをタイムライン上で明確にしている友達とつながっている。 #PrideConnectsUs」
(ハフポスト日本版「有名企業25社、米最高裁「同性婚」判決を支持」より 2013/6/27)
イギリス在住の@May_romaさん
先月には、米国連邦裁判所が同性婚を認める判決を受けた、レディー・ガガのスピーチが話題となった。
「幼いころから、私は周囲に異端者と見られていた。どこにも自分の居場所を見つけられなかった。でも、そんな私を受け容れてくれた人たちがいた。仲間に加えてくれ、独りでは立ち上がれないときに支えてくれ、私のありのままを認め、愛してくれた人たち。それが、あなたたちだった。今夜ここにこうして立っていることは、(あなたたち)LGBTコミュニティと出会って以来の夢だった」(ハフポスト日本版「レディー・ガガの感動スピーチと国歌斉唱、LGBTイベントで 同性婚認める連邦裁の審判後【動画】)」より。 2013/7/4)
先月行われたテニスの全仏オープンでは、同性婚に反対する男が半裸でコートに乱入した。
9日に行われたテニスの四大大会の今季第2戦、全仏オープンの男子シングルス決勝で、同性婚に抗議する男が発煙筒を持ってコートに乱入し、試合が一時中断するハプニングがあった。(「テニス=半裸男乱入で全仏決勝が一時中断、同性婚合法化に抗議」Reuterより 2013/6/10)
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