これが本当のプライドだ――。
ゲイの人たちが、極右団体「プラウドボーイズ」から、プライドという言葉を“奪い返そう“というムーブメントがTwitterで起きている。
「誇り」を意味するプライドは、性の多様性を祝うLGBTQのパレードなどでしばしば使われる言葉だ。
多くゲイの人たちがハッシュタグ「#ProudBoys(プラウドボーイズ)」をつけて、自分たちの写真を次々と投稿すると、ヘイトに代わってTwitterが愛や希望で溢れる結果になった。
「私たちが支持する#プラウドボーイズは、LGBTコミュニティのものだけ」
プラウド・ボーイズとは?
プラウド・ボーイズは暴力を容認する極右団体で、2016年大統領選挙戦の最中に結成された。
このプラウドボーイズに今、注目が集まっている。きっかけは9月29日の大統領選討論会だ。
トランプ大統領は討論会で「白人至上主義グループを非難するか」という質問に対して、「プラウド・ボーイズ、下がって待機せよ」と答えただけで、さらに、悪いのは右翼団体ではなく左翼団体だと述べた。
大統領は2日後に「プラウド・ボーイズを批判する」とコメントしたものの、討論会で発言はプラウド・ボーイズを勢いづかせた。
「#プラウドボーイズ」を取り戻そう
プラウド・ボーイズが話題になった討論会の2日後、ゲイの写真でプラウド・ボーイズのハッシュタグを溢れさせれてはどうだろうと呼びかけた人物がいる。
俳優のジョージ・タケイ氏だ。
「ゲイの男性たちが、パートナーといちゃついている写真やゲイらしい写真を撮って、 #ProudBoys(プラウドボーイズ)のハッシュタグをつけたらどうだろう。間違いなく、プラウド・ボーイズをめちゃくちゃにできると思います。#ReclaimingMyShine(私の輝きを取り戻す」)」
この呼びかけに多くの人たちが反応。#ProudBoysとともに、キスの写真や踊っている写真など様々な写真やメッセージが投稿され、ハッシュタグは日曜日には北アメリカでトレンド入りした。
多くの人がハッシュタグを“乗っ取った”のではなく“取り戻した”のだ、と書いている。
「親友と結婚しました。あなたは私の誇りです」
「#プラウドボーイズを取り戻す」
「ゲイの人たちが極右の白人至上主義者たちから#ProudBoysを取り戻して、愛とポジティブさと本当のプライドで溢れさせているからぜひ見て!最高の気分で1日を過ごせますよ」
「プラウドボーイズがやってきますよ」
「付き合って4年。一緒に色んなことを経験しました。後悔はありません」
アメリカ駐留のカナダ海軍も、兵士が抱き合ってキスをしている写真を投稿した。
これは2016年撮影されたもので、8カ月以上の任務から戻ったフランシス・レグリー氏がパートナーのコーリー・ボートゥール氏と再会を喜んでキスした時の写真。
任務から帰還したカナダ海軍兵士が、公の場で同性同士で初めてキスした歴史的な1枚として知られる。
カナダ海軍は写真に「愛は愛」とコメント。「彼らは沈黙させられたことがあった。孤立させられたことがあった。いつでも歓迎されたわけではなかった。だけどこれが今の私たち」と綴っている。
タケイ氏自身も、パートナーとブラッド・アルトマン氏との写真を投稿し、#ProudBoysに参加した人たちへ感謝を伝えた。
「ブラッドと私は、プラウド・ボーイズです。結婚して今年で12年になります。私はこのキャンペーンで投稿してくれた全てのゲイのみなさんを誇りに思います。私たちのコミュニティーやアライは、ヘイトに愛で答えました。これ以上素晴らしいことがあるでしょうか?」