スマホの世界売上台数、ガラケーを抜く Androidの支配強まる

調査会社のGartnerがスマートフォン市場に関する最新の報告書を発表し、その2013Q2の数字によると、ついに避けられない事態が訪れた。スマートフォンの売上がフィーチャーフォンの売上を始めて上回ったのだ(全世界ベースで台数ベース)。ここ数年Androidが一貫してダムフォン(dumbphones)の首を締め上げてきたが、いよいよ市場の転換点に到達したようだ…
Open Image Modal
In a city street, a man's hands touch the blank screen on a modern cellphone with an android operating system. The blank screen offers copy space for your message.
Getty

スマートフォンの売上台数がついにフィーチャーフォンを抜く(2013 4-6月期)…Androidの支配はいよいよ強力

調査会社のGartnerがスマートフォン市場に関する最新の報告書を発表し、その2013Q2の数字によると、ついに避けられない事態が訪れた。スマートフォンの売上がフィーチャーフォンの売上を始めて上回ったのだ(全世界ベースで台数ベース)。ここ数年Androidが一貫してダムフォン(dumbphones)の首を締め上げてきたが、いよいよ市場の転換点に到達したようだ。

Gartnerによると、世界のスマートフォンの売上は2013Q2で前年同期を46.5%上回り、2億2500万台となった。対してフィーチャーフォンは21%減少し2億1000万台であった。スマートフォンの増加率がとくに著しいのは、アジア太平洋地域(74.1%) 、ラテンアメリカ(55.7%)、および東部ヨーロッパ(31.6%)だが、そのほかのすべての地域でも増加している。IDCの最近の市場データでは、AndroidがQ2の全世界市場でシェア80%に接近している。このGoogle起源のモバイルOSは明らかに、昨日(きのう)までのフィーチャーフォンユーザを食って伸びている。

スマートフォンのグローバルな成長はどの企業にとっても上げ潮になっているが、とりわけ好調なのが今やAppleを抜いてマーケットリーダーであるSamsungだ。このGartnerの報告書では、Samsungのシェアは全市場の1/3近く、31.7%となり、2012Q2の29.7%よりも拡大した(下表)。AppleのiPhoneは台数では伸びたがシェアは2012Q2の18.8%から2013Q2では14.2%に落ちた。市場の底辺をねらってiPhoneの低価格機を出すというのも、当然の動きだ。iPhoneの販売台数は2013Q2で前年同期比10.2%増加したが、同じ時期のスマートフォン全体の増加率(前述46.5%)には及ばない。

SamsungとApple以外では、アジアの3社(LG, Lenove, ZTE)がそれぞれシェア4~5%のレベルで3位争いをしている(下表)。Lenovoは、Lephoneという機種が中国で人気なのだ。

Open Image Modal

Gartnerによると、Appleの平均販売価格(average selling price(ASP))はQ2にかなり落ち込み、2007年のiPhoneのローンチ以来最低となった。それはiPhone 4の売れ行きが強含みだったためで、これまた、量確保のためには廉価版iPhoneを出す、という動機につながる。もちろんそうなればASPはさらに落ちるが、市場の成長を今引っ張っているのは低価格機だからAppleも背に腹は変えられない。

この件に関してGartnerのアナリストAnshul Guptaは、“Appleに必要なのは新しい旗艦機であり、単純に低価格機を出すのはむしろリスクが大きい”、と述べている。“その低価格機はiPhone 4と横並びで300~400ドル程度になると思われるが、それは今のiPhone 4以上に、Apple全機種間の共食い現象を激化させるだけに終わるだろう。いくら現行旗艦機のお買い得な兄弟機を気取っても、結局は安価な新製品というマーケティングに傾いてしまうのではないか”。

もうひとつ2013Q2で注目すべきは、MicrosoftのWindows Phoneが始めてBlackBerryを抜き、プラットホーム(モバイルOS)として3位に躍り出たことだ(下表)。2010年にWindows Phoneがローンチしたとき、Steve BallmerとNokiaのCEO Stephen Elopは、スマートフォン業界に第三のエコシステムを作る、と意欲を述べた。エコシステムと呼ぶにはまだ勢いが足りないようだが、とりあえず売上では3位を確保した。

2013Q2でWindows Phoneのグローバルマーケットシェアは3.3%(2012Q2は2.6%なので↑)、対して悩めるBlackBerry OSは2.7%(2012Q2は5.2%なので↓)だった。Guptaはこう記す: “Microsoftは本四半期で台数とシェアを伸ばしたが、これからより多くのユーザにアピールしていくためにはアプリデベロッパの関心を育むことが重要である”。

プラットホーム~OSのシェアとしては、Android+iOSでグローバルマーケットシェア93.2%を占める。デベロッパがこの二つのプラットホームを優先するのは当然であり、それ以外のプラットホームに力を向けるためには特別のインセンティブが必要だ。下表のように、Androidのシェアは79%と驚異的であり、前年同期の64.2%から大きく伸びたのも、やはりフィーチャーフォンからの乗り換え層をさらったからだ。

Open Image Modal

フィーチャーフォンの低下はNokiaにとって悪いニュースだ。同社のスマートフォンは実質、Windows Phoneという名の負け犬だし、主力のビジネスは今でもフィーチャーフォンだ。Nokiaは2013Q2に6100万台のフィーチャーフォンを出荷したが、前年同期の8300万台よりは落ち込んだ。しかしそんなNokiaも、スマートフォンでは機種~価格帯の多様化により善戦している。NokiaのWindows Phone機Lumiaの売上は、Gartnerによると、前年同期比で112.7%増加した(倍増以上)。

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

【関連記事】

関連記事