9月18日、「福島県立医科大学病院で多指症の診察が100人待ち」という内容がFacebookで投稿され、ソーシャルメディアを通じて拡散された。
福島市内在住の夫婦に
震災以降赤ちゃんが生まれた。
だけど、多指症だった。
手術をしてもらおうと
福島県立医科大学を受診したら
「今、多指症の子どもの手術がいっぱいで、100人近い順番待ちなんです」
と、言われたそう。
内容が事実かどうかハフポスト日本版が福島県立医科大学に問い合わせたところ、「おそらくそのようなもの(デマ)だと思われますが、個別に症例と人数を申し上げることはできません。県の依頼で8月に行った県民健康調査では(多指症含む)先天異常は、通常の割合と大きな違いはありませんでしたので、それをもって回答とさせていただきます」と回答があった。
福島県が8月20日に発表した県民健康調査によると、2012年1〜3月の調査で、「多指症・合併症」と診断されたのは22件で、調査対象の8538人のうち約0.26%、2012年12月〜2013年6月の調査では、6727人のうち15件で約0.22%だった。
この調査報告からするとアンケートに回答していない人を含めて考えても、「100人近い順番待ち」は事実ではなさそうだ。また、日本形成学科学会によると、多指症の発生頻度は0.1〜0.2%、足の指も合わせると0.15〜0.3%だという。福島の調査結果と照らし合わせても、異常な数字とは言えず、根拠のないデマの可能性が限りなく高い。
多指症の発生する頻度は、手では出生1000人に対して1~2人、足では出生2000人に対して1~2人程とされています。また、多指の見られる部位は、手では親指に多く、足では小指に多く見られ、それぞれ全体のおよそ90%を占めています。
(日本形成学科学会「日本形成外科学会 > 会員の方へ > 形成外科で扱う疾患 > 手、足の先天異常、外傷 > 多指症」より)
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