福岡市の公立大学法人福岡女子大に入学願書を受理されなかったとして、福岡県在住の20代の男性が、大学側の対応は、法の下の平等をうたう憲法14条に反しており違憲だとして、同学を相手に福岡地裁に提訴することがわかった。
男性側は、「運営に広い裁量が認められる私立ならともかく、国公立の教育施設が受験資格に性別を設けるのは不当」として、不受理処分の取り消しと慰謝料40万円の支払いなどを求めるという。11月14日、茨木新聞などが報じた。
訴状によると、男性は福岡女子大の食・健康学科の2015年度入学試験の社会人枠を受験するため、14年11月に入学願書を提出。大学は「出願資格は女子としている。開学以来、女子の大学教育を一貫しておこなっており、その方針を変更することはない」との理由で、11月7日付で不受理とした。
男性は栄養士を目指しているが、福岡県内で資格を取得できる国公立大は福岡女子大だけ。「男性という理由で受験資格を否定することに、法律上の根拠はないことは明らかだ」と訴えている。
(【茨城新聞】20代男性、女子大に入学認めてより 2014/11/14 20:49)
同様に、関東・甲州地区でみても、千葉県立保健医療大学、神奈川県立保健福祉大学の2校だけしかない。
国公立女子大の違憲性を指摘するような議論についてはこれまでもあったとされるが、「誰が裁判を起こすのか」という点で現実味がなかったとして、津田塾大の武田万里子教授は次のように話している。
女性が少ない分野に女性を増やすという目的の学部であれば、女性だけに受験資格を認める対応を「積極的な差別是正措置」として一時的に認められてもいいかもしれない。だが、栄養士といった女性も多い分野の場合、合憲性への疑いが生じる可能性もある。
(女子大受験で男性提訴へ 「性別理由に不受理は違憲」:朝日新聞デジタルより 2014/11/15 11:14)
【訂正】2014/11/17 01:07
当初の記事で、福岡女子大を「福岡市立」としていましたが、正しくは「福岡市の公立大学法人」でした。
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