「箱根ホテル小涌園」を運営する藤田観光は2月14日、2018年1月10日で、同ホテルの営業を終了すると発表した。老朽化を考慮したもので、1959年に開業して以来、約60年となる長い歴史に幕を下ろすことになった。
藤田観光によると、同社は1948年から箱根小涌谷地区でリゾート事業を開始。同ホテルや「箱根小涌園ユネッサン」などを営業し、主に団体や家族の旅行者を受け入れてきた。
一方で、旅行者のニーズが多様化したことや、訪日外国人客が増えたことなどから、トレンドが大きく変化したとして、同社は2015年からリゾート施設の再開発事業を進めてきた。今後は付加価値の高いサービス提供を目指すという。
4月には新たな旗艦施設と位置づける、全室温泉露天風呂付旅館「箱根小涌園 天悠」を開業予定で、その他にも高級宿泊施設の開業を検討しているという。
同ホテルの和風モダニズムの建物は、巨匠・吉村順三氏の設計で、取り壊しを惜しむ声もすでに挙がっている。
同社の広報担当者はハフィントンポストの取材に「取り壊しをするかどうかは未定ですが、60年が経過して建物の老朽化が進んでおり、様々な検討を進めております。引き続き小涌園はリゾート地として運営をつづけて生きますので、引き続きご愛顧いただければ」と話している。
■様々な思い出に「寂しい」の声
この報道にネット上では、宿泊時の思い出を語る様々な声が挙がった。
タレントの中川翔子さんはTwitterで「祖父と旅行に行きステンドグラスを作った」という記憶を披露している。
また、テレビディレクターの飯山直樹さんは、かつてのテレビ朝日系人気番組「内村プロデュース」の名場面を生み出したロケ地としてのホテル小涌園に、感謝の気持ちを綴っている。
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