ディズニーの人気キャラ「ドナルドダック」がデビューしてから6月9日で、84年目を迎えた。
ドナルドダックは1934年6月9日に公開された短編映画『かしこいメンドリ』で初登場。最初は脇役だったが、やがて主役に抜擢。ミッキーマウスと並ぶディズニーの看板キャラとなった。
そんなドナルドダックに、アカデミー賞受賞作にもかかわらず、日本で一度も公開されず、メディア収録もされていない映画があるのをご存じだろうか。
第二次世界大戦中の1943年にアメリカで公開された「総統の顔」だ。
戦意高揚のために製作されたプロパガンダ映画で、7分52秒の短編だ。ドナルドダックが、当時のドイツを連想させる「ナチランド」に住んでおり、アドルフ・ヒトラーを連想させる「総統」の崇拝を強制される内容になっている。
ドナルドダッグは、工場で弾丸の製造に従事させられ、さらに、総統の写真がベルトコンベアで流れてくる度に敬礼することを強制される。過酷な労働に耐えられなくなったところで悪夢から目覚めたドナルドは、自由の女神にキスをして「アメリカ国民で良かった」とつぶやくというストーリーだ。
アメリカ本国でも長らくメディア収録されることがない幻の映画だったが、2004年以降はDVDボックスに収録された。ただし、日本発売時にはカットされた。