パンクロックが生まれて40年以上経つ。パンクの創始者たちも、社会保障を受ける年齢に達している。
しかし、パンクは、今も若々しいメッセージを伝え続ける。その証拠に、ラモーンズのTシャツを着た10代の若者に触発されている年寄りたちがいる。
「ファック・ユース(くたばれガキども)」と叫ぶ、ひねくれた年寄りバンドが発表した新曲に、昔ながらのパンクスが共感を寄せているのはそういうわけだ。
ロサンゼルスを拠点としたパンクバンド「スーパービーン」は、次のようなどストレートの歌詞をがなりたてながら演奏する。
「今時のガキどもは、自分たちは最高だと思っていやがる
奴らは確実に成功すると思っていやがる
成功確実だってな!
俺が奴らの年の頃は、もっとイケてたぞ
年を取って、ようやくわかったぜ
くたばれガキども!」
そして、この曲の動画には、「ガキどもはすっこんでろ!」と叫ぶジジイどもが登場する。
ギタリストのスティーブ・モラマーコ(51)は、若者に老害を撒き散らしているのではないという。そして、「ファック・ユース」はあらゆる世代が歌える曲だと主張している。
「かつてのパンクロックの本質は若者たち、ストリートにいる無鉄砲な若者たちのためにあったんだ」と、モラマーコはハフポストUS版に語った。「今じゃパンクスはみんな年寄りになった。そして、問題は子どもたちにある」
この曲は、かつてモッシュ(ライブ会場で観客が激しくぶつかりあいながら踊ること)していた人たちの共感を呼んでいるようだ。
この動画はFacebookに投稿され、すでに55万回以上再生されている。ブラジルやスイスといった国の人たちからも支持されていると、モラマーコは語った。
この曲は怒れる老人からの視点だが、モラマーコたちは、安全ピンがついたセックス・ピストルズのTシャツを着た今のティーンエイジャーたちに共感している。
「俺が10代に着ていたパンクバンドのTシャツを、今の子どもたちが着ているんだ」と、モラマーコは語った。「彼らは自分たちの世代のバンドが最悪で、俺たちが最高だってわかっているんだよ」
モラマーコは、このバンドが将来どうなるかはわからない。老いさらばえた今、かつて若者だった時とはパンクである目的が違ってきているという。
「51歳にとってパンクとは、モッシュピット(モッシュが発生する場所)には近づかないで、炭酸水を飲むことなんだよ」と、モラマーコは語った。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。