医療専門誌「BMCメディシン」9月号に発表された研究によると、健康に配慮した野菜やフルーツたっぷりで加工肉を控えめにした食事は、うつ病予防に役立つ可能性があるという。
スペインで行われた研究で、1万5000人以上の元大学生を10年後に追跡調査したところ、果物、野菜、豆類、そしてナッツをたくさん食べ、加工肉が少ない食事を心がけている人は、肉や甘いものをたくさん食べる人よりも、うつ病にかかりにくい傾向があった。
うつ病リスクを低減するのに最も効果があった食事は、食事の質を測る新たな代替健康食指数(AHEI-2010)と重なる。これは、地中海式食事に似ていて、野菜や果物、豆類、ナッツ、そして適度なアルコールの消費を含むものだ。
注目に値するのは、健康的な食事を適度に心がけることが、うつ病のリスク低減と関係があった一方で、厳密で過度な心がけは、うつ病予防に特別な効果をもたらさなかったことだ。
今後さらなる研究が必要だが、これはメンタルヘルスと栄養研究にとって、よいニュースだ。アメリカでは2015年2月、食事摂取に関するガイドライン諮問委員会で、初めてメンタルヘルスと食事の関係というテーマが議論された。
「私たちがテーマを取り上げたことを誇りに思いますし、栄養研究を前進させる一部になることを願っています」と、諮問委員会のメンバーでコーネル大学教授、トム・ブレンナ博士はハフポストUS版に語った。
■魚にも、うつ病のリスクを低減する効果?
また、9月に公衆衛生専門の専門誌に発表された研究によれば、魚を一番多く食べた人は、魚を最も食べなかった人よりも、うつ病になる傾向が17%も少なかったという。
研究グループは、魚に含まれる脂肪酸が、脳の神経伝達物質に影響を与えるのではないかと考えている。この神経伝達物質の働きが、うつ病の予防に効果があるとみられる。オメガ3脂肪酸サプリメントは、アメリカ精神医学会の分類においても、主な抑うつ障害の「代替補完療法」とされている。もちろん、一番多く魚を食べた調査対象者が、他の人よりも健康的な食事をしていた可能性もある。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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